第四章 脱落者

 ★


「はいっ! というわけで!」

「わけで!」

「って、なんか宇津美ちゃん元気じゃなーい? どうしたんですかー?」

「いやあ、だって先輩の活躍すごくないですか? 今、私後輩として凄く鼻が高いですっ!」

「そうですねー。この番組の熱心な視聴者は今宇津美ちゃんが言ったことの意味がよっくわかるでしょう。現役アイドルがいる中での意外な喰らいつき! 正にダークホース! 彼女の一日のスケジュールは凄いですからねー。恐らく鼎ハウスの中の誰よりも」

「ええ。ええ。そうでしょうとも。普通にアナウンサーの仕事もしてますからね。先輩は。たまーにですけど」

「あれ? まだアナウンサーの仕事あったんだ」

「ありますよっ! なに言ってんですか! もう怒りますよ! 後で先輩に電話しときます」

「ちょー! やめてー!」

「それよりそれより南野さん。今日は重大発表があるんでしょ~?」

「関田さーん。それ言っちゃいますかー」

「え? なんのことですか?」

「白々しいなー! もー! はいっ! というわけで! だんだんと鼎ハウスの住人全員に、視聴者のみなさんは愛着が湧いてきた頃合いかと思います! しかし! しかあし! そうは簡単にいきません! ここから! ここからがこの企画の真骨頂!」

「あ、もしかしてルール③ってやつですか?」

「そうっ! 宇津美ちゃん、覚えててくれて嬉しい! そうなんです! ルール③! 勘の良い視聴者のみなさんは既に気づいている方もいらっしゃると思います。三日前から行われ、昨日の夜十二時に締め切られた視聴者投票制度! それがこの企画の鍵を握っております!」

「投票制度! そんなもの、いつのまにー!?」

「関田さん、わざとらし過ぎー! 僕ら二人で誰に何点入れるー? って、話し合ったじゃないですかー」

「えー。いいなー。わたしにも教えて下さいよー。当然わたしは先輩に百点ですけど!」

「ちょちょちょっ! 宇津美ちゃん喋り過ぎー!」

「はーい。そんなわけで! これから鼎ハウスに繋いでいきたいと思いまーす」


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