第404話 依頼の報酬

「ステータス」


俺は報酬を聞いてステータスを表示する。


【名前】  ヌルヴィス

【種族】  人族

【年齢】  17  

【職業】  不遇魔法剣士

【レベル】 63 (4UP)  


【生命力】 920/920  (60UP)

【闘力】  980/980  (60UP)

【魔力】  980/980  (60UP)


【物攻】  501  (32UP)

【魔攻】  501  (32UP)

【防御】  290  (24UP)

【敏捷】  439  (28UP)

【精神】  439  (28UP)


【物理スキル】

・大鎌術Lv.8・身体強化Lv.6

・無属性魔法Lv.6・体術Lv.5 ・闘力操作Lv.5

・大刀術Lv.4・闘装Lv.3


【魔法スキル】

・闇魔法Lv.8・雷魔法Lv.6・氷魔法Lv.6

・身体属性強化Lv.6・魔力操作Lv.6

・付与魔法Lv.4・魔装Lv.3


【他スキル】

・隠蔽Lv.8・危険感知Lv.3

・多重行使Lv.3・気配感知Lv.2

・反射神経強化Lv.2(1UP)・解体Lv.1




スタンピードで俺のレベルは4上がった。グリフォンと魔物多数と魔王軍幹部を殺ったと考えたら少ない気もするが、パーティで協力したし、こんなものか?

いや、少ないと思うが、その辺を気にしてもしょうがない。だから魔導具のことを考えよう。



「その魔道具って最大値が2つあった場合は2つとも上がるのかな?」


「多分そうなんじゃないかな?」


俺の質問にラウレーナはそう答える。そうなると、仮にその魔道具を付けたとすると俺のステータスはこうなる。


【名前】  ヌルヴィス

【種族】  人族

【年齢】  17  

【職業】  不遇魔法剣士

【レベル】 66 


【生命力】 920/920  

【闘力】  980/980  

【魔力】  980/980  


【物攻】  551  (50UP)

【魔攻】  551  (50UP)

【防御】  232  (58DOWN)

【敏捷】  439  

【精神】  439  



最大値が1割上がり、最小値が2割下がるため、最大値が1つだけでは下がった分の方が大きいが、最大値が2つあることで上がった分の方が大きくなっている。


「でもただでさえ低い【防御】がさらに低くなるんだよな……」


何とか闘装で誤魔化してやってきたが、これ以上敵が強くなるのを考えると、ここでその腕輪を付けて2割も【防御】が下がってしまうのは危険だ。


「ラウレーナとルシエルはこの腕輪欲しい?」


「余は要らないのじゃ」


俺の質問にまずルシエルが即答で断った。

ルシエルは俺とは逆で最大値が1つに対し、最小値が2つある。つまり、2割下がるのが2つもあるのに上がるのは1つしかないということになる。これはさすがに割にあっていない。


次に少し悩んだラウレーナが答える。


「僕も要らないかな?【物攻】が上がるのは嬉しいけど、魔法を使うのに【精神】が下がるのは嫌だしからね」


少し前までのラウレーナなら欲しかったかもしれないが、今のラウレーナは水の線や巣といったもので魔法を多用するようになっている。それらの魔法の構造の複雑さを実現させているのは高い【精神】があるからこそだ。それが下がったら魔法の練度も落ちてしまう。

また、俺やルシエルのように多くのステータスを持っていないラウレーナは最大値と最小値は共に1つずつである。



「うーーん…」


他の2人が要らないと言った以上、後は俺が使うか使わないかでこの依頼を受けるかどうかが決まると言っていい。


「悩むくらいなら依頼を受けて腕輪はゲットすればいいんじゃない?付けるかどうかはその後でゆっくり考えてもいいんだしさ!」


「そうじゃよ。手に入れさえすればその時々で判断するとかもできるのじゃよ」


「そうか…?……そうだな」


手に入っていない状態で必要か不必要かを考えても仕方がない。少しでも欲しいと思うのならば、勇者の代わりは嫌だとかは考えず、手に入れよう。


「ならその依頼を受けよう」


「決まりだね」


「了解じゃ」


こうして俺達の次の行き先が決まった。


「じゃあ、手続きしてから出発だね」


「ああ」


その後、俺達はギルドで依頼を受け、軽く挨拶回りをしてから出発することにした。


「兄貴!もう行っちゃうんですか!」


「ここでの目的は果たしたからな」


ここに来たのは魔物の変化の原因を探るためだった。結局、魔王軍幹部でスタンピードが発生してしまったが。

魔王軍幹部が現れたということで今は各国が対応を考えているらしいが、ただの冒険者にはその辺は関係ない。ぜひ勇者には頑張って欲しいもんだ。


「お前らはどうするんだ?」


「魔物の解体や人が戻ってきたりで忙しくなりそうだし、それが落ち着くまではここに居ようと思います」


スタンピードに備えて住民が避難しているし、沢山狩った魔物の解体もあるから冒険者は暇では無い。この街である程度過ごしてきたカラゼスらはそれにも手伝うようだ。


「ルイ、またな」


「今回は色々とごめん。また会おうね」


ルイとシアにも挨拶に行ったが、シアはまだ眠っているし、聖女に会わないために一言二言話すだけだった。勇者の代わりとして行くため、もしかしたら次の国で会うかもしれないな。



「さて、行くか!」


こうして俺達は古代の魔導具の腕輪を手に入れるために次の国へと向かった。

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