第347話 あの魔物に勝つために

「ふぅ……と」


宿に帰ってきた俺は防具を外してベッドにダイブする。身体は帰る前にミリーの生活魔法で綺麗にして貰っている。

ギルド長とお話をした後はアリ達の素材を渡し、全員で食事をしてから帰ってきた。一応1週間後にまたギルドに集まって報酬の分け合いがあるからその時にザックスらとは再開する。これに1週間かかるのは素材の多さとあの変な魔物の対応にギルド側が追われるかららしい。


「…ステータス」


俺はベッドで仰向きになって自分のステータスを表示する。



【名前】  ヌルヴィス

【種族】  人族

【年齢】  16  

【職業】  不遇魔法剣士

【レベル】 37 (3UP)  


【生命力】 530/530  (45UP)

【闘力】  530/530  (45UP)

【魔力】  530/530  (45UP)


【物攻】  293  (24UP)

【魔攻】  293  (24UP)

【防御】  170  (15UP)

【敏捷】  257  (21UP)

【精神】  257  (21UP)


【物理スキル】

・大鎌術Lv.7・身体強化Lv.6

・大刀術Lv.4・無属性魔法Lv.5(1UP)

・体術Lv.5(1UP)・闘力操作Lv.3・闘装Lv.2


【魔法スキル】

・闇魔法Lv.7・雷魔法Lv.5・氷魔法Lv.5

・身体属性強化Lv.4・魔力操作Lv.4(1UP)

・付与魔法Lv.3・魔装Lv.2


【他スキル】

・隠蔽Lv.8(1UP)・危険感知Lv.2・気配感知Lv.2

・多重行使Lv.2・解体Lv.1

・反射神経強化Lv.1(New)




「全然上がってないんだよなー」


俺は自分のステータスを眺めてそう呟く。砂漠での狩りと今回のアリの巣の駆除では3レベルしか上がらなかった。女王アリを2体殺っているのにだ。あの半彩化の魔物を殺れていたら一気にぐんっと上がったのかもしれないけどな。


「やっぱり数じゃなくて、強い魔物と戦わないとダメか」


今回は数だけはいっぱいだったが、個体の強さ的には大したことのない魔物が多かった。砂漠でもそれは似た感じである。


「明日からはA-ランクのいる場所に狩りに行こう」


今日の出来事で今のままでは本気を出されたあの半彩化の魔物には太刀打ちできないと分かった。だからレベルを上げて強くならないといけない。とはいえ、死んだら台無しなので、自分でも勝てる強い魔物にしないといけない。


「…でも魔法スキルも使いたいよな」


戦う魔物が強いからという理由もあるが、スキルレベル上げ目的で魔法スキルもどんどん使っていきたい。あの半彩化の魔物相手に魔法スキル無しでは到底勝てないのだからな。


「その点、他スキルは勝手に上がるから楽でいいよな」


他スキルはオートで発動するものなので、使おうとしなくても状況に応じて勝手にスキルレベルが上がっていく。新しく取得していた反射神経強化も主に危険感知に反応していたら取得したスキルで、反射速度を上げてくれるスキルだ。


「狩場が不人気かつA-くらいの強い魔物がそれなりにいるかつその魔物と俺の相性がいい。……そんな上手く見つかるかな」


求める条件を改めて出してみると、かなり難しい。まあ、妥協できるラインのものを探すしかない。




「あったよ……」


ギルドの受付で話を聞くと、ちょうど俺の求める条件に当てはまる場所があったのだ。多少遠くて、泊りがけになるけど、それくらいは問題ない。

俺はポーション類を補充してその魔物がいる場所に向かった。



「あっ」


向かっている道中で今回の目的ではないが、強い魔物を発見した。


「アースドレイク」


その4mほどの魔物は翼のなく飛べない亜竜だった。もちろん、亜竜であるので、硬い鱗はあるし、火も吹く。ランクはA-で強さ的には俺の目的とも合致する。だが、致命的に駄目なところがあったのだ。


「はあっ!!」


アースドレイクに男がハンマーを振り下ろした。そう、この魔物は人気なのだ。亜竜は売れば全身高い素材なので、高ランクには絶好の魔物なのだ。

だから俺はここを無視してさらに奥へと向かう。



「アースドレイクも居なくなったな」


奥へと向かうと、途中からアースドレイクが居なくなった。つまり、この近くから俺の狙いの魔物がいるのだろう。



「……あれか」


更に歩くと、俺の狩りの目的の魔物が1体空中にいるのが見えた。俺の目的は空を飛んでいる亜竜であるAランクのワイバーンだ。

ワイバーンはアースドレイクと同じ亜竜だが、アースドレイクよりもランクが少し高い。その理由は空を飛ぶからだ。基本的に空を飛ぶ魔物は手が出しにくく、少しランクが高くなるのだ。これは海にいた魔物と同じだな。でもだからアースドレイクと違い、ワイバーンの討伐は不人気なのだ。だが、空中で移動手段のある俺にはそこは関係ない。


「1体だけだな」


そのワイバーンを見ても、周り他のワイバーンは飛んでいない。2体居られたれ別の個体を探さないといけなかった。


「シールド」


俺は自分の周りに30枚の足場とするための盾を出す。


「よしっ!」


そして、全力強化をすると、空中のワイバーン目掛けて駆けて行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る