第199話 海での依頼内容

「やっぱり首都だからか冒険者ギルドは大きいな」


道を歩く人に場所を聞いて俺達は冒険者ギルドに辿り着いた。その冒険者ギルドは王都と同じほど大きかった。やはり、人が多ければその分冒険者ギルドも大きくなるのだろう。


「まずはどんな依頼があるかを見ようか」


「そうだね」


冒険者ギルドの中に入ると、俺達は最初に依頼ボードを見てどんな依頼があるのかを見る。

依頼ボードの前には昼過ぎということもあってか、人はそれほど多くない。



「普通の依頼もそこそこあるけど…」


「目を引くのはこっちだよね」


俺らがやったことのあるような街の外の魔物を狩る依頼もあるにはあるが、目を引くのはそれでは無い。


「船に同乗して魚の魔物を狩る手伝いか」


半分以上の依頼が依頼主と共に船に乗って魔物を狩るものだった。


「でもよく見ると依頼のランク制限も人数もばらつきがあるよね」


「あ、そうだな」


ラウレーナの言う通り、よく依頼内容を確認すると、条件が依頼事に異なっている。特に多いのがCランク以上のパーティで複数人を求めるものだ。さすがにBランク以上などの余りいない高ランクの冒険者を求める依頼は少ない。


「それと定期的な依頼がほとんどだな」


漁に行く日が元から決まっているのか、この週の何日目と何日目には行くと明記してあるのが多い。そのためか、長い間貼りっぱなしのようだ。


「依頼は一通り見たし、とりあえず受付の方に行こうか」


「うん」


どのような依頼があるかは把握できた。あとは受付で詳しい話を聞こう。


「こんにちは。本日はどのような要件で?」


「水国に来たのは初めてで、依頼を受けたいのだが、海での依頼の説明をしてくれないか?」


「かしこまりました」


それから受付が海での依頼の説明をしてくれたが、結局のところ依頼主によって変わるらしい。

だが、大体のところで一致しているのは冒険者の役割はサハギンと呼ばれる魚の顔に人間のような胴体の魔物などが船に攻撃したり、よじ登ってくるのを阻止することということだ。基本的に魚を捕まえるのは船の漁師が行うらしい。

そのサハギンという魔物のランクがCランクのことからCランク以上の依頼が多いそうだ。

そして、初めてでも船乗りばの依頼主の元まで行ったら船に乗せてくれて、魔物の生息領域に行くまでの間にその時の役割の説明はしてくれるらしい。

また、海での依頼を受けるには依頼主の名前を受付に伝えればよく、依頼を剥がす必要はないそうだ。



「それじゃあ、俺達をパーティとして登録してくれ」


説明を一通り聞いたら俺達のパーティ登録を行う。パーティ登録を行うメリットとしては2人で1グループとなるので同じ依頼を受けやすいことや、俺とラウレーナの場合は2人でもパーティとしてCランクとなることだ。まあ、もう1人Dランクの元とパーティを組んでしまうとパーティの半分よりもDランクが多くなるからパーティとしてDランクとなってしまうが。


「かしこまりました。パーティ名はお決まりですか?」


「「あっ」」


パーティ名は全く考えていなかった。それはラウレーナも同じようで、2人で顔を見合わせる。

パッと思い付いたのは「護守」という俺達の居た道場の名前だが、俺もラウレーナも誰かを守ることをそこまで得意としていないからその名前はあってない気がする。


「まだパーティ名がお決まりでないのでしたら未定でも大丈夫ですがどうしますか?」


「じゃあ、とりあえず未定で」


決まっていないから未定ということにしてもらった。とはいえ、パーティで活動するならパーティ名は必要だから早く決めないとな。


「本日の要件はこれで終わりでしょうか?」


「これで終わり…あっ、良い宿を教えてくれ。冒険者が泊まるような宿の中で設備が良く料理が上手いところで。値段は気にしなくていいから」


料理は完全に俺の趣味だが、設備が良いのは大事だ。例えば、部屋に鍵などがなかったりすると平気で寝込みを襲われたりするからな。

また、高級ならいいという訳でもなく、宿の中にら貴族御用達というところもある。宿なんかで貴族に関わりたくない。というか、俺は貴族とはもう関わりたくない。



「でしたら良いところを知っています。簡単な地図を書きますので少々お待ちください」


「ありがとう」


それから受付に地図を書いてもらって冒険者ギルドから出た。肝心の依頼については宿でラウレーナとどういうのがいいかを話し合って明日か明後日に受ける予定だ。

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