第51話 最後の父さんとの戦い 1
「この辺でいいだろう」
父さんについて行って森の中に入ると、10分程で少し開けた場所に出た。今日はここで父さんと戦うことになるのか。
父さんは始める前に俺から距離を取るために離れていく。
「ステータス」
俺はその間に自分でステータスを確認した。
【名前】 ヌルヴィス
【種族】 人族
【年齢】 14
【職業】 不遇魔法剣士
【レベル】 15 (7UP)
【生命力】 260/260 (105UP)
【闘力】 260/260 (105UP)
【魔力】 260/260 (105UP)
【物攻】 125 (56UP)
【魔攻】 125 (56UP)
【防御】 80 (35UP)
【敏捷】 110 (49UP)
【精神】 110 (49UP)
【物理スキル】
・大鎌術Lv.5・身体強化Lv.4・大刀術Lv.3
・無属性魔法Lv.3(1UP)・体術Lv.2
【魔法スキル】
・闇魔法Lv.5(1UP)・雷魔法Lv.4(1UP)
・氷魔法Lv.4(1UP)
・身体属性強化Lv.3(1UP)・付与魔法Lv.1
・魔力操作Lv.1
【他スキル】
・隠蔽Lv.5・解体Lv.1(New)
ステータスを授かってからほぼ5年で大刀術と付与魔法以外のレベルがそれぞれ1ずつ上がった。体術あたりはもしかすると時期にまたレベルが上がるかもしれない。
ちなみに、大刀術と付与魔法に関しては使用頻度が高くなかったせいでスキルレベルが上がらなかったのだろう。大刀術に関してはそのスキルに合う武器が無いので仕方がなく、また付与魔法は武器での攻撃に追加効果を与えるものなのであまり強い敵がいなかったから使う場面がなかった。
「絶対にダメージを与える」
俺の今日の目標は最低でも父さんに一撃を入れてダメージを与えることだ。これが父さんと戦う最後の機会になるかもしれないからここで一矢報いたい。
俺はそれができる方法をステータスを見ながら考える。もちろん、前々から考えていたが、土壇場でまた考えたくなってしまう。
「2人とも準備はいい?」
「いいぜ」
「うん」
母さんの声で俺はステータスを消した。母さんはどちらかが重症になるような怪我をしそうになった時に止めてくれるための審判と、周りに魔物が現れた時の対処のために来てくれた。
ちなみに、結局新しく何か思いつくことは無かった。ならもう、できることを全力でやるしかない。
「始め!」
「身体強化、闇身体強化」
俺は母さんの開始の合図で全力の強化を行った。元からステータスで劣っているのだから最初から全力でやるしかない。
「身体強化」
「っ!」
まさか、父さんも身体強化をやるとは思わなかった。現に今までで父さんが纏うモヤが目に見えるほどちゃんと身体強化を使うのは初めてだ。
「しっ!」
ただ、驚くと同時に今の俺と戦うのにそこまでしてくれることが嬉しかった。口元に笑みを浮かべながら俺は父さんに向かっていった。
「はあっ!」
「ふんっ!」
俺が下から振り上げた大鎌と父さんが横から振った刃を潰した鉄剣がぶつかった。
「ちっ…!」
その結果、俺は力負けし、足を引き摺りながら少し後退してしまう。強化をしてもステータスの数値で勝てるとは思ってなかったが、こうも見て分かるほどに差があるのは悔しく感じる。
「轟け!サンダーボム!」
父さんから離れたことをいい事に俺が魔法を放つが、父さんは体勢を低くして躱す。また、躱すと同時に俺に向かってくる。
「凍てつけ!アイスフィールド!」
俺は近付いてくる父さんの方を向きながら下がり、魔法を発動させる。これで俺と父さんの間の地面に氷が張る
「ふんっ!」
「うぇ!?」
さすがの父さんでも迂回するかと思った。しかし、父さんは滑らないために氷を砕くほど力強く地面を蹴ることでまっすぐ俺に向かって来た。
「どうした!闇魔法はいつ使うんだ!」
「くっ…!」
父さんがそう言いながら切りかかってきたが、大鎌で防ぐ。スピードを落とさずまっすぐ来たせいで少し意表を突かれたが、さすがの父さんも足元に少し気がいっていたのか最初よりも攻撃が軽い。
ちなみに、ストックを使うまで闇魔法は使えないというのを父さんは知っている。知っている上で早くストックを使い、普通の闇魔法を使いだせと言っているのだ。
(いや…もしかすると)
俺は父さんがストックを出し惜しみすると闇魔法を使えずに消化不良で終わるぞと注意したのかと思った。だが、もしかすると違うのかもしれない。
ほぼノータイムで放てるストックしている闇魔法を父さんはかなり警戒しているのかもしれない。だからこそ、早くストックを使わせたいのか?
(まあ、出し惜しみする余裕は無いのも事実だけどさ)
闇身体強化を全力でやっているのに、普通に魔法を何回も使っているから魔力がごりごり減っていく。さすがに最後がやりたいことが出来ずに魔力切れで終わりは味気ない。
「よしっ!」
俺は考えをまとめるために今は父さんから離れる一方だった。だが、それもこの瞬間で終わりだ。父さんにはこれから初出しの戦闘方法を見せてやる!
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