第3話 幼馴染を探そう

私は海を探すことにした。

海のお母さんは仕事があるので私は一人で探すことにした。

海のバイト先は志津にあるので、私は一人で志津を歩いていた。


見慣れている風景が並ぶ道をしばらく歩いていると、見慣れていない風景が

並ぶ道に来てしまった。

来た道を引き返しても、抜け出す事が出来ない。

そんな事が続いているので、私は怒りたくなった。

そんな私の前に何かが立ちはだかる。


「人間如きが何の用だ」


その何かを見上げると大天狗のようだった。


「人を探しているのです…!」


「そいつはここに居る」


その大天狗に海は捕まっていた。


「助けて、柚姫…」


海は微かな声で私に助けを求めている。


「私の親友を早く返せ!」


「返す訳には行かない」


「何でだ!」


「半妖だからだ」


大天狗はそう言った。

実は海は座敷童子と人間のハーフだ。

けれどもそんな海の存在は今の佐倉では認められている。


「半妖だから何だって言うんだ! 半妖でも海は大事な親友だ!」


「半妖でも妖怪は人間なんかと共存できるわけが無い!」


「それはお前の偏見だろ! 海は人間と共存できている!」


「何でお前は半妖を助けたいんだ? 助けたってお前が先に死ぬのに」


確かにそれはそうだろう。

海は座敷童子と人間の血が混ざっている半妖だ。

だから長く生きられる。

それに比べて私は妖怪の血は混じっていないであろう人間だ。

長くは生きられないだろう。


「私は海の親友だから、最期まで一緒に居たい」


「お前の意思はよく分かった。 だが返すには条件がある」


「それは何?」


「俺の娘と一緒に遊んでやってくれないか?」


「最初からそう言いなさいよ。 いいに決まっているじゃないの」


「だが、今日の所は時間が無いから帰らせてやろう」


「さよなら」


そして気付くと元の佐倉にいた。

海は見つけたけど、条件を果たさなければならないようだ。

面倒臭いけど親友のためにはやるしか無いのだろう

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