閑話 魔女の違和感 side魔女
ふぅ。
まさかあの子が、これほどまでに魔力と親和性があるとはね。
わたくしの精神汚染に抗うとは思わなかった。
もう少し遅かったら、面倒な事になっていたかも、ね。
でも、それも再度掛け直したからもう大丈夫でしょう。
恨みと嫉妬、欲望が増幅されているから、嬉々としてアルテミス達を殺すでしょう。
それに、実際凄まじい勢いで実力を伸ばしている。
このペースで行けば、そろそろ以前弟子だったティアちゃんを殺せるくらいになるかしらね?
ある程度実力をつけたら、あの子をエデンに差し向けましょう。
アルテミスと天啓眼を殺させたら、次はあのイレギュラーを相手にさせる。
当然イレギュラーには勝てないでしょうけれど、もし、イレギュラーがお人好しであれば、イレギュラーはあの子には手が出せない筈。
何せ、イレギュラーはあの子の兄を殺しているのだから。
あはははは!
イレギュラーの存在を『あの方』から聞いた時には、どうしようかと思ったけれど、わたくしはツイているわね。
普通だったらどうにもならないのでしょうけれど、違う観点からイレギュラーを止められる・・・上手く運べば排除できるかもしれない。
それもこれも『あの方』のおかげね。
知らずに挑んでいれば、わたくしはイレギュラーに瞬殺されていたでしょう。
まさか異世界とはいえ、神殺しを成しているとは。
なんて恐ろしい相手。
うかつに触れれば破滅してしまう。
そんなのは、わたくしが愛する楽しさはでは無い。
『あの方』も、私のフォローはしてくれるけれど、イレギュラーを相手取っては危険だと判断したみたいだし。
今は、あまり干渉しないようお願いしてある。
ここで、『あの方』を失うのは得策ではないのだし。
それにしても、楽しいわね!!
この、一歩踏み間違えたら命が消し飛ぶ感覚が堪らない!!
それに、あの小僧も中々楽しめている。
中々壊れない面白いおもちゃね。
小僧は、光ちゃんは滅びの獣が好きなのに、自分が横恋慕しているのを分かっていて、それでも自らの命を賭けている。
なんて愚か!なんて愚かなのかしら!!
どれだけ頑張った所で、あの子の心が小僧に向くわけが無いのに!!
せいぜい役に立って貰ってから、死んでもらわないとね。
一番は滅びの獣を追い詰める為に、滅びの獣に殺されて貰うことなんだけど。
滅びの獣と言えば・・・気がかりが一つだけある。
彼にはパスを繋いであった筈なのに、何故か突然モニター出来なくなった事が気にかかるわね。
死んではいない筈だけれど・・・
滅びの獣が、アルテミスを手にかけようとした所で、パスが切断された。
原因は不明。
少しだけ気にかかるし、何か違和感を感じるけど・・・
まぁ、放置しておいても良いでしょう。
大方、管理者辺りが介入したのでしょうし。
彼の焦燥していく姿は、中々楽しめたことだし、今はこちらに集中しましょう。
予定では、現界での8月末頃・・・こちらで言う、1年後位にここから出て作戦を始めるつもり。
・・・その前に一回位あの子に修羅場をくぐってもらおうかしら。
相手は・・・あれで良いかしらね。
上手く立ち回ったなら、その時には『魔女』を名乗ることを許しましょうか。
わたくしは『魔女』と呼ばれていますが、それは正確ではありませんから。
昔、まだわたくしが子供の頃、魔女はもっと身近に沢山いましたし。
わたくしが魔女の里に居た頃に呼ばれていた二つ名は『至高の魔女』。
そして、魔女の里が人間に滅ぼされた時に、魔女の里の長から受け継いだのは『クイーン オブ ウィッチ』つまり『魔女の女王』なのだから。
せいぜい悪意と絶望に踊らされろニンゲン共。
全ては貴様らの傲慢が招いた事なのだから。
魔女の女王の悪意は、この世界の全てを黒く染める。
それまで偽りの幸福を感受すると良いわ。
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!
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これで六章の閑話も終わりです。
第七章は、お互いの陣営が戦力を拡充させていく事になります。
第八章で本格的にぶつかる予定です。
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