閑話 ?????? 

 あらあらぁ?失敗しちゃったわね。

 

 おかしいわね〜・・・ちゃんと『占い』通り、ギガンテスの『蛇』を利用して、『滅びの獣』を目覚めさようとしたのに・・・なんでかしら?


 本来なら、『アルテミス』の救出に時間がかかりすぎて、『アルテミス』が『疾風』に犯されるのを阻止出来ず、『アルテミス』は絶望して心を閉ざし、それを目撃したあの子が『滅びの獣』を暴走させ、そのままその場の全員を殺害、そして、目に付く全ての人々を殺し回り、『滅びの獣』が大量虐殺するという、とても面白い事になっていた筈なのに・・・


 変ね・・・初めて私の『占い』が外れたかもしれないわ。

 何か他の力が働いたのかしら・・・


 『あの方』の啓示の通り、エデンの小娘の『神託』は、管理者とのパスを奪い取っていたから、テロの同時決行作戦が止められる筈がなかったのに。


 それに、作戦中、何か圧倒的な存在の気配を感じたわ。

 思わずわたくしが、エデンの小娘の『神託』阻害を解除してしまう位の。


 あのままにしていたら、わたくしの命の危険があるってビジョンが見えたのよね。

 何なのか、どんな存在なのかはとても気になるけれど・・・同時にとても危険ではあるわね。

 

 

 どうやら、まだまだこの世界には、わたくしが知らない事があるみたいね。


 うふふ・・・面白くなってきたわ。


 退屈は嫌い。

 

 退屈は悪。


 どうせ賭けるのなら、命をベットした方が楽しい。


 自分のは勿論、他人の物も。


 この1000年を生きる魔女は、退屈を無くす為ならなんでもやるわ。

 だって退屈は嫌だもの。


 きっとわたくしのやる事に『あの方』も協力してくれるでしょう。

 

 だって、『あの方』はわたくしにこのチカラをくれた大事な人。


 人としての恋を知らず、愛を知らず、楽しさも知らず、ただもくもくと仕事をして、生きているとも死んでいるとも言えない永遠を繰り返していた『あの方』。


 わたくしがそんな『あの方』を変えた。

 

 恋を教え、愛を教え、喜びを教え、欲望を教え、快楽を教え、堕落を教え、狂気を教え、そして・・・わたくしの愛が無ければ生きられなくなった愛しいあの方!!

 『あの方』はわたくしの為ならどんな事でも肯定してくれる!

 だって、わたくしに嫌われたら、生きていけないもの。


 骨の髄までわたくし色に染められたあの方。

 なんて可愛らしい!!

 馬鹿な子ほど可愛いというのはこの事かしら!?

 

 愛しい愛しいお馬鹿なあの方は、わたくし以外もう何も見えていないわ。


 だから、あの方も一緒に楽しませてあげるの!

 この世界をわたくしとあの方の遊び場にする!


 その為には人類は今の半分もいらないの。

 どうせ勝手に増えるから、適当に間引かないとね。


 でも、間引くのにも、ただ間引くのではつまらない。

 どうせなら、楽しくしないとね。


 間引かれる人間は、せいぜいわたくしに、怨嗟と憎悪、嘆きと絶望に染まった美しい表情を見せて欲しいわ。


 わたくしは、それを愛しいあの方と一緒に大笑いしながら見てあげるから!!

 その為には、『滅びの獣』を手に入れなければね。


 あれは、わたくしの楽しい楽しいおもちゃなの。

 そのおもちゃで、遊んで、遊んで、遊び尽くしたら、バラバラにしてゴミ箱に捨ててあげるつもりよ。

 

 あの子も楽しみにしててほしいわね〜。

 自分の滅びの獣が目覚めて、ある程度人間を間引いたら、自我を戻して、自らのした事を教えてあげるの。


 そうしたらあの子は喜んでくれるかしら?

 きっと泣いて喜ぶわね。

 泣いて、泣いて、泣いて、そしてきっと絶望した表情で、殺してくれって言うわね!

 

 嗚呼!!

 なんて可愛らしいの!!

 今から楽しみだわ!!


 でも、その為には計画は大事よね。

 達☆成☆感!は大事な喜びだもの。

 それは人を捨てて魔女になったわたくしでも同じよ。


 まずは・・・どうしようかしら。


 そうね、観察してみようかしら。


 おあつらえ向きに、出かけるようだもの。


 上手く行けば、周りから崩せるかもしれないし、使える子がいるかもしれない。


 ・・・注意すべきは今回の計画を阻んだ存在。

 これについては、あの方に調べてもらいましょうか。


 わたくしでは敵わない可能性が高いもの。


 でも、あの方なら大丈夫。


 だってあの方は・・・うふふふ・・・


*********************************

これで四章は完全に終わりです。

次章は宣言通り温泉旅行編です。


どんな苦難(肌色多め)が健流を襲うのか!?

こうご期待!!

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