第4話「意識は脳の働きなのか?」
人間がプルプルにより毎日、毎秒、すなわち絶えることなく〝常に生きている″ことは既にみんな実感として知ってることだ。
実感しているプルプル。その一つは鼓動、もう一つは呼吸。
心臓から送り出される血液、肺から送り出される酸素、常に鼓動と呼吸によりその働きはなされている。人間の全身は60兆個もの細胞の集合体なのだが、その細胞により、目、耳や皮膚、筋肉、骨、心臓、肺、胃、腸など多くの器官が形作られている。その全てが鼓動と呼吸により〝常に生きている″のだ。
大自然の生命体は全て生きている。そして全てがプルプルしている。無機物の原子も分子も、有機物の細胞も微生物も動植物も生命体全ても、大自然も常にプルプルしている。そしてそのプルプルの大元はどんな高性能な電子顕微鏡で見ても見えない、極めて微小なヒモ状にプルプルしている振動エネルギー体なのだ。万物とはそういうものなのだ。鼓動も呼吸も万物のプルプルと同期してプルプルしている事象なのだ。
次に「自分という意識」とはなんぞやという解明をしてみよう。
意識は心と読み替えてもいい。その方が平易な理解になる。
心臓という言葉がある。人類は科学や医学が未発達な時代から本能的に心は心臓にあると直感してきた。だから古代人は敵をやっつけると蘇らないように心臓を抉り出したりした。先人は、心臓はハート、私のハートは貴方のもの、ハートでがんばれなどと言いながら生活を送り、そして心の臓というネーミングを与えた。
近代に入り、精神医科学、脳科学が目覚ましく発達し、急激に脳が注目されるようになった。そのあまりにも高度で精緻で複雑な知性の処理能力は驚異であり、神秘であり、世界中の科学者と研究者が争ってその仕組みを調べあげた。その過程で人間のこの高度な知性すなわち心を司る臓器は心臓ではなく、脳なのだという認識が主流になっていった。その果ては脳科学者がTVのコメンテーターになり、おこがましくも大衆の心理を高見から解説するようにすらなった。
しかし先端の脳科学や生命科学でわかってきたことは、脳イコール心(意識)ではないということだった。
確かに脳は膨大な情報処理(編集、削除、記憶の保管や出し入れ)を司っていることは事実である。しかし、それは心(意識)そのものではなく、それに従属して機能するいわばハードウェアとその機能動作に相当するものということらしい。
例えばコンピューターに例えると、コンピューターはほとんど脳に近い機能のハードウェアだ。そしてその目覚ましい機能の進化発展はAIに繋がり、まもなく人間を追い越すとさえ言われている。膨大なソフト、アプリ、そしてビッグデータ、クラウドサーバー、スーパーコンピューター、量子コンピューター、技術は様々にある。
果たして人間は、未来ではコンピューターに支配されてしまうのか、という脅威があってもおかしくはないぐらいの世界だ。
しかし、しかし、それはそもそも誰の意思で機能しているのか?スーパーコンピューターが自動的に天文学的な演算を為しているとしても、しかし、そもそもそういう指示をしている大元は誰なのか?
そう考えると、それは間違いなく人間なのだ。全て人間によって大元が決められているのだ。
人間の脳もそういう位置にあるものらしい。要するに脳はハードウェアなのだ。脳は何らかの「他からの意思、意図」に従って、高度な人格や知性や記憶データを形成する為の処理装置であり、その処理動作をしているにすぎないということらしい。
だんだん核心に迫ってきた。
しからば、人間の脳に指示し、命令する大元の「他からの意志、意図」すなわち心(意思)とはは何なのか、どこに存在するのか?
そこでまた心臓が再登場するのだ。
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