一石二鳥

お兄様早くぅ〜

お兄様もといご主人様にはやくご奉仕がしたいメイドの結衣


もうそろそろお兄様が帰ってくる時間、あぁ〜1日会えないだけでもう我慢なんてできません!


お兄様ぁー



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うぅーなんかクラクラする

(なんか寒気もするし、もしかして熱あるのかなぁ

そんなわけないよな、熱があったとしても結衣がいるしできれば手間をかけたくないし風をうつしたくない)

裕翔は頭が重いなか学校から帰宅途中である

今日は散々だった


掃除はみんなどっか行ってサボっているから自分以外の担当もして挙げ句の果てに水がかかって濡れたし


課題もたくさんあるので休み時間も休んでる暇はなかった


大体なんなんだよ、他の奴らは楽しそうに掃除サボりやがって俺はあんたらの分もやってるってのに、

誰も俺のことなんて見てない、あいつらがサボってる間に俺がやってるって誰も知らない、こんな理不尽があっていいんかよ。


クソッとしんどい中イラついていた

はぁ、しんどい帰りたいー


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ガチャッと扉が開く音がした


私はその音を聞いて玄関へ駆けつけた

「お兄様!おかえりな..」


私は上機嫌でお兄様に突っ込んでいったが

お兄様がいつもの顔色じゃない

「お兄様?」


「あぁ、結衣ただい....ま」

ま と言った瞬間結翔は結衣に向かって倒れ落ちた


「お兄様だ、大丈夫ですか?!」

「お兄様、お兄様」

何回呼んでも返事はない

ドッキリですよね、と思って私の胸にお兄様の顔を押し付けてみる

アン♡、だめだめ今はお兄様のお世話に集中しないと

やっぱり驚かないしびくともしない


これは熱がありますねと思ってお兄様を膝枕しておでこに手を当てる


「熱っ」


いつものお兄様を触るときより熱い


わたしは早急にお兄様をお兄様の部屋まで連れて行ってベッドに寝かせてあげる


ふふっ、ついに私がお兄様の頼りどころとなる日が来ましたね


はぁ〜申し訳ないですけど風邪で苦しんでるお兄様の顔を見ていたら看病したくてしたくてたまらなくなってしまいます


絶対すぐ直して差し上げますねお兄様♡


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とりあえずクーラーをつける

前までお兄様の部屋にはクーラーがなかった

熱くなってきたのでわたしの部屋かお兄様の部屋かどちらかにクーラーをつけるという話になって

お兄様はすぐさま結衣の部屋にしてやってと言って

わたしの部屋にクーラーを置くことになった


あとでお兄様に「お兄ちゃんクーラーいらないの?」と聞いた


「結衣は女の子だし熱くて汗をかくとか嫌だろ?、

俺は扇風機でいいから結衣でいいよ」と言って頭を撫でてきた


なんでそんなに優しいのか分かりませんがお兄様の

他人のことを考えれる優しさにわたしはもっとお兄様のことを好きになってしまったりしましたねぇー


今ではもう好き好きでマックスに等しいです

これ以上好きになってしまったら一日中お兄様と私を手錠で繋いでしまいます


そんなことより!お兄様です


それから私は起きないお兄様をつききっきりでお世話をした


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ん、

眠りから覚めた俺は目を開ける


俺の部屋か、

周りを確認する

暗いなぁ、今何時だ、ええ、1時?!

いつのまにか深夜になってしまっていた


あれ、俺なんで寝てるんだっけ

確か、クラクラしながら帰ってきたのは覚えてるけどそっからなんの記憶もない、


あれまさかじゃあ、誰か俺を部屋に運んでくれたってことか


「んんーおにーちゃ、ん、早く、治って、ね」


をぉ、びっくりした


横に見たらメイドの結衣が...


メイドの結衣????


??


ん?


ちょっと情報量が多いぞ、


今俺は寝て元気になった、そして目が覚めて横を見るとメイド服を着ている妹が寝ている


すごいな


けどなんか気持ち良さそうに寝てるからそっとしとくか 

俺は結衣の頭を撫でる

「ありがとうな、きっと結衣がやってくれたんだろ?ごめんな迷惑かけたよな」


ベットは汗で濡れていて気持ち悪いけど俺は汗を描いてないし、制服から着替えられてるし


やばいな妹に着替えさせるわちょっとやばいかも

これは誰にも言えねえな


まぁ、俺はいいけど


いつも結衣は俺のためになんかしてくれるけど俺、なんもできてないんだよなぁ

いつかなんなしてあげれたらいいな


結衣の頭を優しく撫でながら

感謝の気持ちを表した


俺は運んでくれたお詫びに結衣を結衣の部屋まで運んであげる


相変わらず、軽くて、柔らかい体だな


俺は結衣をベッドに寝かせて、もう一度感謝の言葉を言ってから部屋を出る


喉が渇いたし、お腹が空いたので一階に降りる


すると机にラップを貼った皿と紙があった


「お兄様へ、もしお兄様が元気になって結衣が寝ていたらごめんなさいですけどこれを食べてください元気じゃなくても食欲があるなら食べた方がいいですよ」


綺麗な字で書かれている

なんかお兄様の字だけ気のせいかめっちゃ強調されてる気がする


はぁーどこまでいい妹なんだか

完璧すぎてため息が出た


起きてからもちゃんと礼言わなきゃな


ちなみにうどんだった温めてとも書いてあったので

レンジで温める


おぉー美味しいなぁ結衣のお手製なのか?これ絶対買ってきたやつだろ、うますぎる12時間ぶりのご飯に感動した

黙々と食べていたらいつのまにか無くなっていた


「ごちそうさまー」

美味しかったぁー


それからお風呂に入って歯磨きをして寝る準備をする


お風呂に入ってる時に考え事をしていた


そういえば結衣が甘えてこなくなった日って俺と寝たいとか言ってたのを思い出した


寝てやるかぁ


もし嫌われたらまぁそれはそれでどうにかするか


スッキリした俺は結衣の部屋に入る


暗くなった部屋の住人はすぅーすぅーと寝息を立てている


まぁ正直な感想だけど可愛いよな


俺は結衣の布団に入ってもしものことがあってはいけないので少し距離を空けて寝転がった


うわ、いい匂いする 女の子特有のいい匂いは本当に不思議だ


羨ましいやつめ


今日俺は結衣に色々お世話されてしまったなぁー

結衣が熱出たら絶対俺がやってやるからな

結衣を横に意気込んで俺は意識を手放した







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