妹(結衣)視点



私はずっと寂しかった。

お父さんはお仕事に行き、お母さんはもうこの世にいないそうして私は一人でいることが多かった。

私の記憶の範囲だとほんの一部しかお母さんの顔を知らない。

家で1人の私は、自然と家事をするようになって料理や、洗濯などいろんなことができるようになった。しかし、甘えん坊だった私は褒めてくれるお母さんという存在がいないのでいつも自分と自分のために働いてくれるお父さんのためだと思い当たり前になってしまった。

お父さんがいつも疲れた顔して帰ってくるからお父さんはお仕事に行って頑張ってくれてるんだと思えたから勉強だって頑張ろ!と思って、小1だったけど3.4年先ぐらいの学習はすべて完璧にした。



いつの日か、突然お父さんが再婚した。

その時私は小学1年生だったのでなにが起こっているのか分からなかった。

仕事から帰ってくるお父さんに早々聞いてみると

「お兄ちゃんができるぞ!よかったな結衣」と言って頭を撫でてくれた。


お兄ちゃん........

お兄ちゃんができると思うと私はとても嬉しかった。毎日遊んだり甘えたりできる。


お母さんがいなくて甘えるということがどんなものなのか分からなかった私は、お兄ちゃんに甘えれるかもしれないという淡い期待を抱いた。


お兄ちゃんに初めて会う時、少し不安だった。

怖い人だったらどうしよう、ひどい人だったらどうしよう、もし甘えることができなかったらまた寂しくなったら嫌だ。

そんなことをを考えていた。


そのお兄ちゃんと対面したとき私の不安は一気に解消された。

恥ずかしくてお父さんに引っ付いてた私に笑顔で手を差し伸べてくれて話しかけてくれた。そのことが私にとってとても嬉しいことで安心できてと仲良くしたいと願った。


「ゆ、いですよろしくお願いします」

男の子と喋るのは慣れていないけど挨拶できた。

そしてお兄ちゃんも口を開けて

「結翔ですよろしくね!ゆいちゃん」と言ってくれた。


多分この時からお兄ちゃんのことが異性として好きだったのかも知れない。

今では大好きすぎる結衣のお兄様ですけどね。


それもこれも運命的じゃないですか、だって結衣と 結翔ですよ?結びと結びですよ?私たちは結びのつなぎ目のように絡まってるのですよぉ


それから私の期待通りお兄ちゃんといっぱい遊びました、それはもうたくさんです。お兄ちゃんと遊んでいるとなんだか安心できて楽しくて昔の悲しかったのが噓みたいだった。


それから、思春期に入って私はお兄ちゃんが好きすぎてやばかった


お兄ちゃんを男女のことでどうしても意識してしまう。お兄ちゃんにメロメロだった私の視線はお兄ちゃんをいつも追っていた。お兄ちゃんと結婚すると決めていた私は、私への告白などすべて断った。



その告白してくる人の中にはお兄ちゃんを抜いたとしても、とてもではないがありえない人もいた。

その人達には少しキツイこと言ってしまったこともあった。その時に早くお兄ちゃんと付き合いと思った。

だから中学生になってお兄ちゃんにもっともっと結衣のことを好きになってもらおうと思いもっともっと自分磨きに努めた勉強、家事、運動だって。


お兄ちゃんは思春期真っ只中にも関わらず、妹の私にも優しくしてくれてずっと結衣の理想の王子様だった。


けど中学2年生になった結衣はお兄ちゃんに甘えるのは控えていた。

それは今日も”一緒に寝よう!”って言おうとしてお兄ちゃんの部屋に向かった。お兄ちゃんの部屋の前に立つとドアの下からは明かりが漏れていなかったので寝てしまったのかなぁ?と思ってそっとドアを開けるとお兄ちゃんは暗い部屋の中、勉強机のライトだけで勉強をしていた。一生懸命勉強に立ち向かうその姿勢に結衣は少し男らしさを感じて興奮してしまったけど、ここでお兄ちゃんを邪魔して受験が失敗してしまったりしたら嫌だからと思って、そっと扉を閉めて「お兄ちゃんがんばれっ」と小さく呟いて我慢した。



お兄ちゃんは優しくて、結衣を甘やかしてくれるからお兄ちゃんの邪魔をしても怒るどころかどんなに忙しくても相手をしてくれる。基本無視なんてことはされたことがない。だから今私がお兄ちゃんに声をかけると必然的に結衣はお兄ちゃんに邪魔をしてしまっていることになる。

お兄ちゃんはそうは思ってないかもしれないけど結衣は考えてしまう。


そして私は1年間、お勉強しているお兄ちゃんには甘えなかった、いや、甘えれなかった。

けど後半になって私は我慢できなかった、好き過ぎるあまり.......

何をしたかはご想像に任せます!。


1年という長い年月をかけて我慢したダムのようなお兄ちゃんへの愛はついに崩壊しました。そうして私は1人で悟りを開いてしまったのです。


私はお兄ちゃんのものだということを。お兄ちゃんは結衣にとって神様で結衣の大好きな人だということを。


だってそうでしょ、お兄ちゃんにこんなに甘えれなくなっただけで心も体も枯れた花のようになってしまう。

私はお兄ちゃんに支配されてる、そう思うと心の底から安心できてうれしかった。

お兄ちゃんといると嬉しくて気持ちよくて安心できる昔からそうだ。


もうこの時点で結衣はヤンデレになっていた

周りの人を傷つけるとか一切考えてないけどお兄ちゃんへの愛は誰にも負けない。ホワイトヤンデレだ。


そして理想の妹になるためにお兄ちゃんのことを調べに調べまくったお兄ちゃんの好きな食べ物と嫌いな食べ物とかは知っているからお兄ちゃんのタイプとか寝る時間、起きる時間、結衣って私のことを呼んでくれた回数などなど


私の部屋にはいつのまにかお兄ちゃんの写真だらけになっていた。

「お兄ちゃ〜ん.......すぅう.....」

持っているのはお兄ちゃんが使い終わったハンカチだ

お兄ちゃんの匂いを嗅ぐだけで私の中にお兄ちゃんが入って来てるみたいで体の全部が満たされるのだ。毎晩こうすることでお兄ちゃん成分を蓄えている。


そして、お兄ちゃんはめでたく受験に合格して高校1年生になった。


けど、卒業してしまうと思うと一緒に行ってた中学校から離れるわけだから一緒にいられなくなるのはとても寂しい。


ある日、出かけていた結衣は急な天候の悪化で帰ることにしました。


「ただいま~」お兄ちゃんは...いるわけないよねぇー」

多分結衣、お兄ちゃんに「おかえり結衣」なんて玄関で言われたらお兄ちゃんを襲う自信がある。

結衣は靴を脱いでリビングに行きました。


それからご飯をお母さんと作ってお兄ちゃんを呼びに行きました。

「おにぃーちゃん!ご飯だよぉー」

ノリノリな口調だけど内心は(お兄ちゃん、いつ見てもかっこいい♡結婚して!無理ならペットでもいいから!)と思っている。

ご飯の時もお兄ちゃんのことをどうしても見てしまう。結衣が愛情込めて作ったお兄ちゃんの料理がお兄ちゃんの栄養になるんだから実質結衣の愛情がお兄ちゃんの一部になっていると思うとお兄ちゃんを見ながら顔が赤くなってしまう。


深夜、みんなが寝ている時間だ。

「ゴロゴロ!!」

「ふぇ!.......怖いよぉ」

結衣は外から聞こえてくる雷が怖くてお兄ちゃんの部屋に行きました


当然こんな時間だしお兄ちゃんは寝ていた、けど

お兄ちゃんの寝顔を見ると

(お兄ちゃんやっぱり可愛い!けどかっこいい!)

ついでに寝顔を拝むのも忘れずに布団にもぐろうとすると。

明かりがついている何かがあった

(スマホ!お兄ちゃんの!)

私は迷わず手に取って映されている文字をみた

お兄ちゃんがどんなものに興味を持っているのかが知りたかったからだ

どうやらお兄ちゃんは小説を読んでいたらしく画面上にたくさんの文字が書かれていた。

そこで私は見てしまった

そこに映し出されている文字はお兄ちゃんの性癖を表していた

「お兄ちゃんの理想の妹って........なるほど」

うんうんとうなずきながら片手でお兄ちゃんの肩を変態おじさんのように触る。

お兄ちゃんの性癖が分かってとてもうれしいだってこれでお兄ちゃん、いやお兄様の大好きな理想の妹になれるのですから


書かれていた内容は、行儀の良い妹に世話をされる兄だった。

実際、その小説全体ではそういう話ではなかった。

たまたまそういうシーンで結翔が寝落ちしてしまっただけだ。


私はこれからお兄ちゃんにいえ、お兄様に全身全霊でつくします。


「お兄様、愛してます♡」

私はお兄様のほっぺにキスをして布団に潜り込みまししたが自分の身体に結翔の匂いがつくことに興奮しすぎて眠れませんでした。




















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