妹ものを読んでいた俺が寝落ちしたら妹が変態になっていた
鯵の閉まり
プロローグ
生まれた時にはお父さんを知らなかった。
俺.....
相手はシングルファザーだった人で今の俺のお父さんだ。優しくて、とても頼りになる。
お父さんになる人は、天然気味で優しかった。だがしかし、それを逆手に前のパートナーに裏切られたらしい。当時はその話は知らなかったが後で聞いたのだ。
けど、これからはそんな心配いらないだろうと思う。だって俺のお母さんも優しくて温厚すぎるのだ。この二人が似合わないわけがないと確信していた。
そんな理由で俺は快く再婚に賛成し二人を受け入れたのだ。
それからのこと、お父さんと初対面する時、俺とお母さんが玄関でお父さんを向かい入れた。
小さい俺はお父さんを見上げ視線を落とすと、俺より少し小さい黒髪の女の子がいた。最初は誰だろうと思ったがすぐに分かった。
「ゆいとくん、今日からこの子のお兄ちゃんになるんだけど良かったら遊んであげてくれるかい?ほら結衣も挨拶して......」
そう、この子は俺の妹になる子だ。俺が義妹ができた日であった。
「ゆいです....よろしくお願いします」
俺の1つ下らしくて小学1年生だった。結婚したので俺と苗字が一緒の
美しい黒髪でとても可愛いらしい顔の女の子でお父さんの後ろで恥ずかしそうに、けどきっちりと挨拶してくれた。
だから俺も嬉しくて
「よろしくね!ゆいちゃん」と言って結衣ちゃんに笑顔で手を伸ばすと
彼女も笑みを浮かべ、僕に手を伸ばしてくれて「うん!」といってくれた。
これが俺と結衣(妹)の出会いなのだ。
それから俺もシスコンが垣間見える場面も多々あった....日を重ねるたびに、結衣の甘え度合は上がっていき、いつでもどこに行こうとしても俺の後ろをついてきた。
朝は結衣も自分の部屋があるにも関わらずいつの間にか横で俺に抱き着いて「おにぃちゃん...」と寝言を言ってたりコンビニに出かける時も「結衣も一緒に行く!」と言って一緒に行ったりした。
俺が友達と遊ぶ時も「結衣も行きたぃ〜!」と言われたりしたけどさすがに断った。
だけど結衣の悲しそうな顔はだれが見てもとても断りずらかった.....断った時はかなり心苦しいかったのを覚えている。
今思うと少しどころかめちゃくちゃシスコンだったな。
そして今俺が高校1年生に、結衣は中学3年生になって、結衣も少し恥じらいを持つようになったのか外では甘えてこなくなったその代わり家では相変わらずだけど結衣は愛嬌があり誰にでも明るく接することから、友達が多いので遊びに行っていることが多かった。
「お兄ちゃん行ってくるね!寂しくなったらいつでも呼んでいいからね!速攻で帰ってきてあげるから!」
遊ぶ時は笑顔で俺にこう言ってくる。
友達が少ない俺への煽りという認識はこれぽっちもなかったし結衣もそう言う意味で言ったわけでわないと分かってる。
そして反対に俺は家にこもってゲームかマンガか小説を読んでいるまさに陰キャというものを極めている。
今もその最中で今はクラスではやっているバトルもののマンガを読んでいる。まぁクラスで話す人なんていないけどね。あぁ....悲しくなってきた。
バトルものってやっぱり主人公かっけぇーよなぁー。
なんだろ..かっこいい武器とか魔法とか壮大なところとかいいよね
しかも笑いもあるからいつまでも読んでいたい。
「ふぅー面白かったー」寝転がって読んでいたので体を伸ばして起こす.。久しぶりにこんなに読んだので伸びきった体が気持ちが良い。
3時ぐらいから読んでたのに時計の針は6時を指していた。
そしてベストタイミングで誰かが扉をあけた
「おにぃーちゃん!ご飯だよぉー」
相変わらず可愛い声していって言ってくる結衣。
本当になにもかも俺とは正反対だなと自虐しながらもリビングに行って4人で飯を食べた。
食べるときも
「お兄ちゃん......はーい....あーんして?」
と言ってきたので内心うれしくもしょうがなさそうに装ってあーんされた。
寝る前は必ず小説を読むことにしているマンガだと無限に読めるので集中して読むために小説にしているもちろん小説も無限に読めるけどね。
今日は雨がすごくて雷もゴロゴロと音を鳴らしていたが俺はそんなことは気にせず小説を読んでいた。
本で小説を読むのは苦手なので小説だけスマホで読んでいる。
今日は昨日の続きの妹がヒロインの場面だ。
「お兄様、おはようございます」と1ページ目に書いてある
俺にも結衣がいるが小説を読んでいるときはだれかと照らし合わせて読んでいないので結衣のことなど頭にもなかった。
ラノベということもありお兄様と呼んだりHな方向に行ったりしていたのでそんな風になるわけないし、照らし合わせたほうがまずいだろう。
(このヒロイン可愛いイラストしてるな....)と思って寝返りをうつ。
急に小説を読んでいるととてつもない眠気によって無意識に瞼が閉じていく、抵抗を試みて一回目は覚醒したがまた瞼が下がっていき俺はそのページを開けたまま寝落ちをした。
〜 〜 〜
「お...い....ま」
真っ暗な中誰かに呼ばれている音がした。
(んぅーなんだぁ?)
誰か俺のことを読んでいるのか?
「おに....さま..おき...」
そして三回目で起こされその声がはっきり聞こえた
「お兄様、起きてください」
だ、誰?!と思って寝たふりをしながら.............
「.............」
答えをだす(あ!夢か!)と思って完全に思考を失った。
「あ、一瞬起きらしたのに」
けどまだ聞こえる。
そして最後の一言で完全に起きてしまう
段々と熱のこもった「はぁ....はぁ....」という息が俺の耳にかかってくる。
「お兄様....起きてください...起きないとお兄様の耳を舐めちゃいますよ」
俺のベットの傍にいる結衣からは聞いたことのない大人な艶々し声が聞こえた
「え?!結衣?!ど、どうした?」
絶対俺より遅く起きておにーちゃんと呼んでいた結衣ではなく前にいたのは
昨日読んでいたような、いや違う昨日読んでいた1シーンの起こし方を忠実に再現している妹だった。
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