第3話 死神の世界。

目が覚めた。

昨日のことが夢だったのではないかと思えてくる。

しかしそんな考えも一瞬で消えた。

いつもの部屋じゃなく真っ暗な世界だった。

どうやら死神になったようだ。

3日間どう過ごそうか。


“おい。海斗。お前どうすんだよ。”


突然の名前呼びにびっくりした。


“いや。誰だよ。”


“あ?

あーそういや海斗いい人間知ってるって言ってたな。”


黒い影がブツブツと独り言を言っていた。

そのすきに逃げようとしたところで捕まった。


“待て待て。ごめんな。

お前人間だったんだろ?可哀想に。”


可哀想?わからなかった。


“俺は圭介。お前は?”


“俺は…海斗。”


“マジかよ。おんなじ名前じゃん。

あ、お前が取引したやつとな。

海斗も気の毒だな。”


気の毒?


“どういう意味だよ。”


“あ?もしかして知らねえのか?

あいつ、掟破ったな。

よし海斗、覚えろよ。

取引は3日間だろ?

その3日間は仮契約みたいなもんでその3日間以内にまた誰かと取引しねえと人間には戻れねえんだよ。”


は?あいつはそんなこと言ってなかった。

つまり…


“騙された…?”


“そういうことだ。”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

優しい死神は海が好き。 @isonomanami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ