第2話 体育で高笑い
英語の授業で高笑いが出た高原君だが1日平均3回出る為1回出た所で安心なぞ出来なかった、そんな中高原君は次の体育へと向かう。
「では今日はサッカーを行う、チーム分けは出席番号で前半と後半に分けるぞ。」
体育教師の宣言の後数分の作戦タイムが設けられた。
「高原、お前はディフェンスな」
中学時代サッカー部でキャプテンを務め、入学早々サッカー部に入部した彼により高原君はディフェンスに決まった、ちなみに高原君はあまり運動神経が良くない。
そして試合が始まると元キャプテンの彼が司令塔となり高原君所属のチーム優位に試合は進んでいく、そんな中相手側のサッカー部所属の男子が隙をついて高原君の前まで迫る好プレイを見せた。
(やばい抜かれたら後はキーパーしか居ない、なんとかしないと)
そう考えながら無造作に出した足が偶々ボールを奪いとる、相手に疲労が溜まっていた事で起きたミスによる所が大きい。
「高原、前行け、前!」
元キャプテンが声を張り上げる、逆転するために相手チームはキーパー以外が前へと来ており高原君の前には誰もいない状態だった。
偶然とはいえサッカー部所属の男子からボールを奪い気分の上がった高原君はいつもであれば上手い人にパスをする場面でドリブルする事を選んだ。そしてゴール目前にして本日2回目の高笑いが出てきたのである。
「ハーッハッハッハ、ハーーッハッハッハ。追加点頂いていくぞ、ハーッハッハッハ」
繰り返しになるが高原君は運動神経はあまり良くない、そんな彼が高笑いとそれに続く言葉に意識を取られればどうなるかは明白であった。
「ハーッハッハッハ、ハーハッハぶ⁉︎」
ボールにより蹴つまずき顔面から盛大に転ぶ高原君、高笑いしながら転ぶ高原君に困惑し思わずボールから意識を外したゴールキーパー、心配して駆け寄るクラスメイトと教師、そんな中ボールはひっそりと慣性の法則によってゴールへと入っていった。
高原君は保健室で鼻血の手当てをされながら心の中で泣いた。
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