今日も高原君の高笑いが響き渡ります

喜雨夢

第1話 教室で高笑い

 爽やかな春の陽気の教室内では今日もいつも通り平和に授業が進んで行く、そんな中1人だけそのいつも通りを恐れている男子がいる。


(はぁ…今日はいつ来るんだろう、まだ出て無いって事は最悪授業中に出る事も考えておくか)


 教室のちょうど中央に座る彼の名前は高原たかはら翔太しょうた15歳、つい2週間前に高校生になったばかりの彼には大きな悩みがあった。


「ではこの問題を、そうだな高原解るか?」


 彼の悩みとは


「ハーッハッハッハ、ハーッハッハッハハッハッハ、当然だこの程度の問題なぞ容易く解いて見せよう!」


 1日平均3回程度の高笑いが勝手に出てしまう体質の事である。しかも高笑いの後の微妙な空気に耐えられない小心者の彼はその後に続く偉そうな言葉が

スムーズに出てくるスキルまで身につけてしまったものだから周りからもそういう人間だと認識されてしまい更に彼を悩ませているのであった。


(よりによってこのタイミング⁉︎ 考え事してた所為で授業聞いて無かったのに、しかも苦手な英語だし)


 とりあえず黒板に目を通しながら問題を解こうと頭をフル回転させて彼は1つの結論を彼は出した。


「わかりません…」


「よーし、高原放課後追加で宿題出すからやってくるように」


 彼は心の中で泣いた。

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