第5話

あいのスマホのグー○ルマップに沿って、ヒーロー試験会場に無事に着いた。


周りを見たら、木しかない。人が住んでそうな家、コンビニなど何もない。


しかし、何もない道を少し歩いたら、すごいことに、宙に浮いていた建物があり、いろんなヒーローぽい人が集まってた!


なんて、冗談で実際には、何もなくて、私達は、森の中で迷子になってる。


「はい!詐欺でした!パチパチ!」

と言ったら、あいは、怒ったような顔私を睨んだ。

「ごめん、これは。。。皮肉を言いたくなる状況っていうか。。。」


「まあ、でも、冬木が正しい。。。ヒーロー募集なんかあり得る訳ないやんな。。。」

力の抜けた声であいが失望したのが伝わる。


「超能力もらって、ヒーロー募集のヤツを見たら、詐欺だとわかってたけど、もしそうでなくて、本当だったらとか。。。」

あいの目から涙がぽろぽろ落ちる。


「少し、、、希望あってぃ、、、」

言葉をうまく言えなくなるほど泣き始める。


私は、あいのその姿を見て、本当に胸が痛い。一緒に泣きたくなる。


涙を止めるように、慰めたい。


しかし、今の私の力ができるのは、あいの背中をぽんぽんとするだけだ。


弱い私が、本当に残酷。



しばらくすると、あいが落ち着いた。

そして、

「帰ろう。。。私、ヒーローという夢を諦めるわ」


ダメ! グループなんか入らずにスパイ○ーマンとか、スー○ーマンみたいに個人でヒーローになればいい。


まだ、諦めるのが早い!その夢を叶う方法がある!


そういう言葉が私の口から出てこない。


だって、希望を与えたって、辛いことしかないでしょう。


私は、これ以上大切な人を失いたくない。


「そうだね、ヒーローなんかマンガの世界だもん、、、諦めよう、、、」


私の声が震えている。そして、顔が熱いし、目もぼやけてる。


泣きそうな自分がバレないように、笑顔で誤魔化す。


本当にごめん。。。ごめん。。。。本当にごめん。。。


でも、あなたを守りたい。。。お母さんみたいに失いたくない。。。わかって。。。


その中で、あいは、やはりポジティブ。

「そうやんな!子どもじゃあるまいし!へへへ」

と、あいの笑顔で私が安心する。


数分座って休憩したあと、私は、服を整って、鞄を背負う。


「あい、どうやって帰ろう?」

「待って、グー○ルマップ見る!」

あいは、携帯をタッチしている中で急に笑う。


「どうした?」

「やー、受付開始時間がな、今やねん。15:30って。面白い!建物が急に地面から出てくるかなハハハ」


あいが詐欺のことをバカにして笑う。

私はそれに連れて、一緒に笑い始める。

「ハハハ!そんなあり得なーーー」



カタカタカタカタカタカタカタ



地面が強く揺れる。

私とあいが、体のバランスがくずれ落ちる。


「痛ー!これ地震。。。?」

「当たり前の風景に何聞くのよ。あい。」

「携帯の地震の通知鳴ってないから、地震ではないと思って」


腹がへこみ、恐怖を感じる。

私の顔は、青に違いない。



確かに。。。携帯がなってない。


だったら、


「「建物が急に地面から出てくるかなハハハ」」



まさか。。。








その通りだった。。。











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