第4話

私は、朝早い教室の風景が好き。


薄暗くて静かな空間、自分以外誰もいない。


まるで秘密基地にいるようでこの時間は楽しい。

だから、朝早く学校ヘ行く。

今日も同じだ。


教室を歩き周ったり、窓を覗いたりするなど。人の目を気にせず、好きなことができる。


誰かが近づく足跡が聞こえたので、私は自分の椅子に座って、何かすることを探る。


本が引き出しの中から出てきたので読むふりをしよう。


それから、ドアが開いたり閉じったりして、教室が騒がしくなっていく。


みんながワイワイと話したりしてる中、私だけがここに黙って座ってて、顔を上げづらい空気。


でも、その空気は、数分しか続かない。

「おはよう!」

後ろから抱きしめて、挨拶するあい。

高校入学のとき、知り合って、友達になった。

あいには、ものを動かす超能力がある。

それは、先週に知った。

いつもテンション高くて、元気な子。

でも、今日はそれより異常。


「おはよう!いつもよりテンション高いなー、今日。なんかいいことあった?」


「まじでー?!、まあ、いいことならあったよ」

あいは、スカートのポケットから、携帯を取り出す。

そして、何かを探り、私に携帯の画面を見せる。

カラフルなホームページのスクリーンショート。

そこには、

「「 ヒーロー募集中!

    資格: 超能力がある人

       勇気のある人

 テストをして、それに合格した人がヒーローグループに入る。

試験日: 9月6日 16時〜

試験会場住所: xxxxooooo33333

」」      


これ大丈夫なの?もっと調べた方が安全だよ、あい。

「これ絶対詐欺、危険、辞めとけ、バカ。」

「それ、、、心の声。。。」


私は、ため息をつく。

「とにかく、それ危ない!」

と、注意したが、あいの良い所で悪い所でもある頑固さがぶつかってくる。


「でも、冬木考えてみ、もし詐欺でなかったら私、ヒーローになれるかもやでー!」

あいの目がキラキラする。

なぜかというと、あいの夢は、ヒーローになることだから。


先週まで、子供の夢のようなもので、しかすぎなかったものが現実になるかもしれない。


「冬木が、何言おうが、私が行く。もう申し込んだし」

早っ!


別に、これはあいの選択だし、何か危険だったら、それは、彼女の責任だ。


しかし、大好きな友達だから、心配する。


何か力になれるはずがないけど

「あいが行くなら私がついていく!」


「冬木。。。それはよかった。。。」

あいは、自分の前髪を支えながら、左の方へ目を逸らす。


そして、友達であるあいだからこそ、知ってるのだ。


「あいーーー!何隠してるのだい?」


あいは、びくっとして、恐れている何かがいるように私の方を見る。


そして、無理に笑顔になる。

「ヘヘ」


ややや、何がへへやねん!


あいが気まずそうに私に携帯の画面を見せる。


「 申し込み完了


  ヒーロー名前: 川田 あい

  年齢:17

  超能力:ものを宙に浮かす。

  ヒーローの友達: 春山 冬木

※ヒーローの友達がいる場合必ず、一緒に来ること」


そうか、私に相談せず、勝手に登録したんだ。。。


「自分勝手すぎん?!」

あいは髪の毛を触りながら、

「ごめん!」って言って、悲しそうな顔をする。

まるでいたずらをして母親に怒られた子供のようだ。

「別にいいけど。。。次からちゃんと相談やで」

「わかった!」





そうやって、放課後になり、私達試験会場へ向かった。














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