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「デッキより伝令。これより、船内への救助活動開始です」
デッキからの伝令を受けた樹が拓海を見る。拓海はすでに操縦かんを握り締めていた。
「やる気出てきましたか? 先輩」
いつの間にか戻ってきていたアキラが冗談まじりにいう。
「仕事はこなす」
「そりゃあ、よかった。リーダーがやる気ないとチームの士気が落ちるからね」
「リーダー?」
「そりゃあ、そうでしょ。チーム枇々木なんだから、ちゃんとリーダーシップとってくださいよ」
「……」
『チーム土方。チーム枇々木。準備はいいですか?』
「ああ。いつでも発進できる」
『わかりました。これより、飛鷹部隊。発進カタパルトへ』
二体の飛鷹船がカタパルトへと移動し、前方のハッチがゆっくりと開く。その向こう側には、はっきりと座礁した船の姿が見えている。
もうすでにいくつかの飛鷹や零が座礁船に向かって飛び立っている。
「うひょ。初任務だ」
アキラは高揚したような声を出す。その一方で、樹は緊張しているせいか体全体が震えている。
「そう硬くなる必要なりなさんな。樹」
それに気づいたアキラが軽い口調でいう。
「でも……」
「大丈夫。だいじょーぶ」
「その自信はどこからくるんだよ?」
「だって、俺たちには、エースがついてる」
「うるせえ。静かにしろ」
アキラの言葉を遮るように拓海が声を荒げた。
『発進シークエンス開始。タイミングは、そちらへ譲渡します』
「了解した。これより、飛鷹第85船。発進する」
拓海が操縦かんを引く。
船はいっきに発進し、宇宙へと飛び立っていく。それとほぼ同時に、別のハッチから、塔子たちを乗せた船が飛び立った。そのあとに続くように拓海たちの船も座礁船へと向かって飛び立つのであった。
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