恋愛人生ゲーム↑↓

碧瀬空

第1話[恋][モテ相談]

[恋]

あおは、華乃蒼夜はなのそうやという。

あたしが彼を蒼と呼ぶのは仲が良さげに思えるから。

あと、可愛いから。

ただそれだけ。


目に入れても痛くないほど可愛くてsoスイートな弟なのに、

彼が4才よりも前のことは全く思い出せない。


(なんでなんだろ……)


まあ蒼が4才なら当時のあたしはまだ7才くらいだ。

そんな物心ついた頃のことなんか、

鮮明に思い出せる訳がない。


(そうだ、そうに違いない!)


それにしたって、うちの蒼ときたらたまらない。


いたずらしないし、

優しいし、

真面目だし、

エロくないし、

(クラスの男子と違って)イケメンだし、

モテモテで云うことなし!


なのだが……


一方で姉のあたしはというと、

からきしモテない。


親友いわく、

「あんたは黙ってさえいれば、男受けいいよ」

とのこと。


要するに口を開けば残念女子だということだ。


その証拠に、

親しくなった男子に好意を持って告白しても

ふられ、告白せずともふられる。


ある種、百戦錬磨だが、そんな悲しい肩書きはいらない。


人生初の彼氏がほしい。

ーーただそれだけなのに、

神様というやつは面白がりで。



[モテ相談]

クラスのパートナー持ち率は6~8割程度。

しかも、周りの友達には彼氏がいる。

あたしだけ置いてけぼりを食らっているというやつだ。


そんなこんなだから、

あたしは彼氏がいないことにめちゃくちゃ焦ってる。


なので、友達の中で唯一彼氏のいない彼女に

相談してみることにした。



「ねえ、なーちゃん。あたし、どうしたらいい?」



この子は通称「なーちゃん」

本名:舞乃七まいのなな


だがしかし、彼女はけして非モテというわけではない。

彼女の場合、彼氏がいないというよりは

作らないといった方が正しいと思う。


一見地味だけど、意外と陽気な感じで

しかも適当に愛想もいいものだから

あたしは彼女のことを密かに

「人たらし」と読んでいる。


(なーちゃんがたらした人は数知れず……)


ただ、根は暗い(本人容認)

で、かなりオタク気質なのである!


それでもあたしが人たらしと呼んでいるだけあって

彼女は男女問わず密かに人気を集めている。



「どうって言われても……あんたはどうしたいの」


「彼氏が欲しいです!ーーってか、なーちゃん。

あたしってそんなに女としての魅力ない????」


「いや……そんなことはないよ、

 ってかむしろ羨ましいくらいだよ」


「お世辞ならいいよ」


「というかね、あんたはなんにも悪くないのよ。

本当なら、めちゃくちゃ告白が絶えないはずなんだよーー」

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