第2話 でなし
翌日。
憑物が落ちたように、久々にさっぱりした朝を迎えた
つい、
ぶるっと彼は身震いした。
人を殺した罪悪感は凄まじく、思い出したくはなかった。もう二度と殺人なんてしたくない。たとえ夢の中だとしても。
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そうして、平和な一日を終え、何事もなく帰宅した。しかし、自室に戻った彼は首を傾げた。
「…何かがいつもと違う」
そう。匂いだ。つぅーんと鼻につくような…。気のせいだと思い直し、クローゼットを開いた彼の目の前に、
はじめは、肌色のレインコートに見えた。買った覚えのない悪趣味な雨具。頭から爪先まで覆うことの出来るそれは、頭部に毛髪まで生えている。
顔にすっぽり空いた瞳の穴から暗闇がこちらを覗き、ダランと開いた歯の無い唇からはハンガーのフックが飛び出している。
綺麗に剥ぎ取られたその皮は、まぎれもなく休んでいたクラスメートのものだった。
ゆっくりと彼は昨夜のことを思い出す。
冷たい血が静かに沸いて、頭蓋の中でチャポチャポ揺れる。鼓動と思考はバラバラに。
ただの肉塊となった元友人を慎重に丁寧に剥いだ記憶。あれは夢ではなかった。
夢は
窓の外は逢魔が時。世界が藍に染まる前。不吉に染まる金の暮れ。
彼はひとりの天邪鬼。人を
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