なにか

お題：穢されたオチ 制限時間：15分

なにか

「ねぇねぇ、大事にとってたのってこれのことなの？」

「あぁ、そういうことだよ。バレバレだったけどな！」

「怒らなくてもいいじゃん。サプライズ、私好きだよ？　大事にされてるって思うし」

「それはサプライズ関係ないんじゃないか？」

「でも、喜ばせようって気持ちがあるじゃない。そういうのってアツアツじゃないとないかなぁって」

「そういうものか？　なんか気持ちに侵食してて逆に気持ち悪く思わないか？」

「やっておいてその感想はないんじゃない？　私はいいって言ってるんだからいいじゃない」

「まぁ……そうだけどさ、もっと純情っぽさがさ……」

「なに乙女みたいなこといってるの。そういうのいいからさ、ほら頭なでてあげるから、よしよし」

「頭なでられるのは子ども扱いされてるようで嫌だな」

「なら、どうしろってーーいきなりキスはないんじゃない」

「頭をなでられるよりはいい」

「それはあんたの気持ちでしょ」

「同じ気持ちかなーって思ってて……」

「嫌いじゃないけど、いきなりは嫌かな。もっとほらさ、雰囲気ってあるじゃん？」

「気分次第ではもっと先のことしてもいいのかな」

「今日はだいぶグイグイくるね？　どうした」

「……なんかあいつと話してるのが楽しそうだったから」

「もう可愛いんだから、いいよ。今日はなんでもしてあげるって、そんなあからさまに反応しなくても」

「彼女になんでもしていいっていわれて、反応しない彼氏なんていないよ」

「そういうものかなぁ？　でも、問答無用に襲われるよりはいいよ」

「そんなことをするやつがいたら僕がやっつけてやるよ」

「そう？　じゃぁ毎日私と通学しなきゃね」

「えっ……なんかされてるの？」

「電車だとさ、密着してるのを言い訳に触ってくるやつがいるんだよねぇ。しかも同じ人」

「死刑だな」

「殺しちゃダメだよ。だから、壁になってほしいんだ」

「わかった。明日から迎えにいく」

「お願いね。だから、今日はぎゅっとしてくれていいんだよ。私からの前・払・い」