11.女神教

あの後俺はサティさんを部屋まで送った後、姿隠しのローブを着こんで、怪しい人物を探していた。

 なんで姿隠しのローブを持っているかって? それはえーとあれだよ、こういう時のためだよ。決して女風呂の着替えとかを覗こうとしたわけじゃないからな。いやマジで!!

 

 俺は精霊たちを見つけては片っ端から鑑定のスキルを使用している。ウィンディーネには通じなかったが、他の精霊には多少効果はあるようだ。こうして不意をついているのも成功している理由かもしれない。



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名前:アクア

職業:ホテルの従業員の精霊

戦闘能力:35

スキル:浄化の水、水魔術

信仰度:50

備考:最近売店の従業員にお弁当を持ってくる少年に興味を持っている。おねショタに興味津々。精霊としては凡才で、接客業をしているが今の生活に不満はない。女神教の信者

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 そして何体か鑑定して引っかかるのは女神教というやつだ。多分女神っていうのがサティさんそっくりの神様なんだろうが一体何なのだろう? そう思っていると精霊たちが会話をしているのでこっそりと聞き耳を立てる。



「お仕事お疲れさまー、この後は集会でしょ、私も行きたかったのになぁ」

「そうなのよ。しかも今回は新しいご神体があるらしくって……ウィンディーネ様ったらすごい興奮しちゃっているのよ」

「ああ、だって、現人神様がこの宿に泊まっているんでしょう。しかたないわよ」

「そうそう、あの冷静なウィンディーネ様があんなに取り乱しているんですもの。あ、そろそろいかなくちゃ」



 へぇ、集会ねぇ。俺は精霊の後をつける。姿を隠しているためか誰も俺にきづいていないようだ。これならマジで着替えだって……いやいや、俺は紳士だ。そんなことはしないぞ。

 一瞬闇落ちしそうになったが、なんとか正気を保つ。



 そんなこんな精霊についていくと、関係者以外禁止という文字が書かれた扉についた。そして、そこを守っているらしき精霊が口を開く。



「理想の萌えとは?」

「実際は貧乳でありながら、パッドをいれて巨乳アピールする姿に、いじらしさと萌えを感じます」

「通ってよし!!」



 今のなんだよぉぉぉぉぉ。これもうサティさんの事じゃん、絶対サティさんの事じゃん!! 俺は内心ツッコミをいれながら、精霊について行って扉に入る。

 するとそこは地下になっているようで何やら声が聞こえる。しばらく進むと開けた広場の様になっていてようやく何を言っているかわかった。



「親愛なる信者たちよ、この世界に現れし現人神サティ様をもっとたたえるのです!! あのお方こそがこの世界の救世主なのでーーーーーーーーーす!!!」

「パッド♪ パッド♪ スライムパッド♪」

「ひぃぃぃ」



 異様な光景に俺は思わず悲鳴を上げる。薄暗い闇の中で数えきれないほどの精霊たちが、台にたっているウィンディーネと共に熱狂的な声をあげていた。



「我々の信仰心と、稼いだお金がサティ様の力となり胸となるのです!! そして、今神は久方ぶりにこの地へとやってきました。我々がやるべき事はわかっていますね!!

「もちろんです、極上のサービスでもてなして、快適に暮らしていただきできるだけここにいてもらうのです」

「正解!! そんなあなたには50パッドポイントをあげましょう。そして、ここに新たな聖遺物を授かりました!!」



 そう言ってウィンディーネが掲げたのは布だ。何かやたらレースが……ブラジャーだぁぁぁぁぁぁ。下着泥棒はこいつだったのかよぉぉぉぉ、やっぱり四天王ってろくなやついねーじゃねーか……

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