8.楽園
そこには楽園が広がっていた。二人の天使がいた。黒いビキニタイプの水着に白いレースがついた大胆ながらどこか可愛らしさを残すその格好はアリシアの子供ぽくも大人の女性になりかけの魅力を強く引き出している。
もちろん、ビキニが覆う存在感を主張する胸元も素晴らしい。だが、彼女の魅力はそれだけではない。おっぱい。鍛えているからだろうか、少々筋肉質な引き締まった体は健康美を感じさせ、くびれがなんとも美しい。おっぱい。いつもの長髪を後ろに結んでいるのもポイントが高い。おっぱい。彼女が首をしげるたびにちらりとみえるうなじがなんとも魅力的である。おっぱい。
「ここが楽園(エデン)か」
「もー、見すぎだよ、アルト兄。それとも私の魅力にやられちゃったかな?」
「そりゃあ、そんな下着みたいな恰好でいたら俺だって思わず見るわ!!」
「下着!! 他にも言い方あるでしょ、ああ、でも……これは流石に攻めすぎたかなぁ……」
そう言って彼女は一瞬自分の胸元を隠す。すると、胸がポヨンとその存在感を示し、俺を色々と刺激する。
普段はちょっと積極的な妹系幼馴染が、大胆な恰好をして、恥ずかしがっている姿は最高かよぉぉぉぉぉ!!
俺は自分の腿を全力でつねって正気を保つ。大丈夫、まだ致命傷だ!!
「アルトさん……この格好変じゃないですよね?」
「うおおおおおおおお!! イッツ、マニアック!!」
かろうじで抑えられていた俺の理性が崩壊しそうになる。サティさんは紺色のワンピースタイプの水着だ。そう……俗にいうスクール水着、スク水である。胸元も完全に覆ってしまっているため、露出はない。
だからその魅力は下がってしまうのか? いやそんなことはないと断言しよう!! 見えないからこそいいのだ。あえて中身が見えないけれど、その存在を主張することによって俺達の想像力を掻き立てる。くっそ、鑑定スキルさえなければ、俺だって周りの男たちのように夢をみれたのに……
そして、色白な彼女の足とスク水の黒によるコントラストがなんとも素晴らしい。
そもそもだ、考えてほしい。ちょっと大人なお姉さんが、胸元がパツンパツンのスク水を着て、俺の目の前で上目遣いで、顔を赤くして可愛らしく聞いてきているのだ。
マジでやべええよぉぉぉぉぉ!! これが魔王の力かよぉぉぉぉぉぉ!!
「とう!!」
「アルトさん? いきなりお風呂に飛びこむのはマナー違反ですよ!!」
「いえいえ、お気になさらず!! それにしてもスク水とは予想外のチョイスで来ましたね、一体どうしたんですか?」
俺は自分の下半身の暴走を誤魔化すために急いで風呂に入る。お風呂のお湯が白いため、湯船の中身がわからなくて本当によかった……社会的に抹消されるところだったぜ。
「ああ……その……色々とお店を回ったのですが最近のは胸元を強調するものが多くてですね……実家に昔着ていたのがまだ保管されているのをエルダーが教えてくれたんですよ。まあ、全然成長してなかったんであっさり着れたんですけどね……」
「なるほど……いいチョイスですね」
俺は初めてエルダースライムに感謝をする。しかし、あのワイバーンは水着をとりに行くためだけに、魔王城まで走らされたのか……ちょっと可哀そうである。
「サティさんも早く入ろうよー、気持ちいいよ」
「ああ、待ってください。すぐいきます。さて、お風呂に入りますよ」
アリシアの言葉で慌てて、サティさんもお風呂に入る。わざわざお風呂に入るっていっているのは胸のエルダースライムに気を遣っているのだろう。
そうして俺はあまりいやらしくならない程度に、女性たちの水着を堪能しようとして、ふと違和感に気づく。
「アリシアのペンダント何かやたらと暗くない?」
「ああ、これは何か私がつけたらいきなりこんな色になっちゃったんだよね、しかも胸元からピタッと離れ無いし……外せなくなっちゃったし……」
「それは精霊のペンダントですよ、外せなくなったり変色することは無いはずですが……」
「えー? みんなは違うの? ちょっと待ってね」
そう言ってアリシアが胸元のペンダントを乱暴に取ろうとするとどこからか禍々しい音と共に変なメッセージが飛んできた。
『デロデロデロー♪ のろいで悪霊のペンダントはからだからはずせない』
「ちょっと待って、何これ? 変な音と声が天から聞こえたんだけど!!」
「私もこんなのは初めてですよ、後でウィンディーネに聞いてみましょう」
「うーん、むしろ体調はいいから別にいいんだけどな」
意外と気にしないアリシアは置いておいて鑑定のスキルをつかう。たまたま胸元をむっちゃ見てしまったが、わざとではない。
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名前:悪霊のネックレス
効果:魔術への耐性アップ、とある悪霊によって宿っている精霊の意思が乗っ取られた。全てのステータスが100アップ。魔王の力の一部が使えるようになる。デメリットとして、凄まじい妄執によって胸の谷間から動かすことができない。
悪霊の残留思念:装備者である勇者が外そうとするたびに胸におしつけられてたまらない……こういうプレイもいいなと思いました。
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なんか原因が分かった気がするわ……俺は頭を抱えながらも彼を思い出してそんなに悪い人ではなかったし一安心する。
「まあ、アリシアも大丈夫っていってますし、このままで別にいいんじゃないでしょうか、害はなさそうですし……」
「まあ、それならいいんですが……」
そして、俺達は温泉を楽しむことにするのであった。
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