7.意外な再会
「それにしてもたくさんのお風呂があるんだね、すごいや」
「ええ、ワイン風呂に、スライム風呂、樽風呂もありますね。あとは……温泉の効能も色々あるみたいです。お肌も綺麗になるみたいですし楽しみですねぇ」
そして、俺達はお風呂場へと向かう。俺達三人にはそれぞれ、ネックレスをつけているのだが、アリシアだけちょっと黒くなっているのはなんでだろうか? しかし、普段は普通の格好をしている二人が、この後水着になると考えるとつい興奮してしまうものだ。
アリシアは結構攻めた水着を着てきそうだ。だけど……サティさんはどうするんだろうか? てかスライムはマジでどうするんだろう。
「アルトさん何ですか、その目は……」
「いや、何でもないですよ、いや、本当に」
「ふーん、あいにくですが変な事はおきませんからね」
俺の視線の意味に気づいたのかサティさんが得意気に微笑む。どうやらばっちり対策はしてあるようだ。でも、これ絶対死亡フラグなやつじゃん。
「なんですか、その目は私の水着姿に悩殺されても知らないですからね」
「そうそう、サティさんは巨乳だもんね。アルト兄、私の水着も楽しみにしててね。どっちの水着がいいか後で聞くからねー、ふふふ、サティさん、どっちがアルト兄をドキドキさせるか勝負だよ!!」
「う……それは……」
「え、マジか……」
アリシアが胸を強調するようにアピールしながら言った。こいつ、スライムパッドのサティさんになんて言う事を……
それにどう答えてもどっちかの好感度が下がる奴じゃん。水着はむちゃくちゃ見たいけど後の事を考えると絶望である。だけど……悔しいがアリシアの水着とか絶対やばいよなぁ……むっちゃバルンバルンしそう。俺は自分の顔がにやけそうになったので、つねって誤魔化す。
「じゃあ、またあとで」
顔がにやけているのを見られる前に俺はさっさと男子更衣室へと入った。お客さんは人間はもちろんのこと、魔物も少しいるようだ。お、ダークエルフもいるんだなと、後から入ってきた二人組を見ていると喋っている内容が聞こえてしまった。
「ふひひひ、ここにくれば女子の水着を見放題だからな。大金をはたいてきたかいがあったぜ!!」
「さっきの二人組みたか? 二人ともおっぱいやばいよな。しかも、片方むっちゃ魔王様に似ているのがまたポイント高いぜ。ナンパしてみようぜ」
うわぁ……こういうやつらはどこにでもいるんだなぁ……まあ、サティさんは綺麗でぱっと見はスタイルすごいし、アリシアは可愛らしく胸も大きい。
確かに魅力的なのだ。彼らがナンパをしようという気持ちもわかる。だけどさ、せっかくリラックスしにきたのに変なのに絡まれたらいやだよな……だから俺が守ろうと思った時だった。彼らのネックレスが輝いたかと思うと、まるで魔力を奪われたかのように倒れる。
え? 何が起きたの? いやまじで……
その場のみんなが混乱をしていると、店員らしき人が入ってきて回収をしていく。あれ、なんか見覚えがあるんだが……
「はーい、すいませんね。うちではナンパは禁止にとなっております。全くこやつらめ、あんなパッド魔王のどこがいいのだ」
「おい、デスリッチ、こんなところでなにをやっているんだ?」
「げ……貴様は……我はただのアンデッドです、お気になさらず、当ホテルをお楽しみくださいませ」
意外な再会に驚いて声をかけるが、彼は一瞬俺と目をあわせたが、そのまま他人行儀な言葉を吐いて出て行ってしまった。
いや、まあ他人というか敵なんだが……
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名前:デスリッチ(生前:オベロン=アンダーテイカー)
職業:従業員、元四天王、元先代勇者の仲間
戦闘能力:10
スキル:死霊魔術・策略・精霊魔術・掃除・料理
信仰度:0
性癖:幼馴染NTR、年下にこき使われる。
備考:かつては復讐のために色々としていたが、ことごとく失敗。昔を思い出して、NTRもそれはそれで興奮するなぁと脳破壊された。最近上司に変な宗教に勧誘されていて迷惑がっている
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もはや、どこからつっこめばいいかわからないんだが!? てかNTRに目覚めちゃったのね……こいつ初恋をこじらせすぎでは……?
なんか、深く突っ込んだら色々面倒くさそうなんで外に出るとそこには天国が待っていた。
「うおおお、水着だぁ」
「温泉なんだから当たり前じゃないですか。でも……やはり恥ずかしいですね」
「えへへ、どう、似合ってるかなぁ?」
少し恥ずかしそうに体を隠すサティさんと、堂々と見せつけるように胸を張るアリシアがそこにはいた。俺は二人の神々しい水着に興奮をするのだった。
生きててよかった……
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