第33話 良いお湯



かぽーん・・・





俺は一糸纏わぬ姿で、お湯に浸かる。


うー・・・


あまりの気持ち良さにおっさんの様な声が出そうになる。

徹夜続きの身体にお湯が染みるぅう・・・


さらさらと白波を立てて流れる川・・・少し肌寒い空気・・・満点の星・・・



今までの仕事が過酷だったギャップが凄過ぎて、ここは異世界か天国ではないか?という気分になってくる。



しかも、このお湯・・・さっきまで咲宮さんが浸かっていたんだよな・・・いや、変な考えやめとこう・・・




$$$





お風呂から上がったら、



部屋には料理が運ばれていた。

(ホントここ、いたせり尽せりだな・・・咲宮さん曰く、平日の余り部屋で安く泊まれるらしいけど)



「最初にグラスの食前酒をお飲み下さい」



女将さんはそう言い残して、部屋を出ていく。




「・・・」




一応、お疲れ様でしたという乾杯でもしようかな・・・


俺はグラスを持って立ち上がり、咲宮さんに近づく。


なんかそれだけで鼓動が速くなる。浴衣姿の咲宮さん・・・ゆるく整えられた髪と体の線がバッチリ見える感じが尚更エロい。


「エッッッっつつ」


ん?なんかぼそりと変な声が聞こえる。



「いえ、鷲尾さん!ゆ浴衣の前はだけてますよ!」



咲宮さんは顔を真っ赤にしながら指摘する。


「あ、これはお見苦しいものを」


「いえ、別に・・・」



咲宮さんは意味深にうつむく。



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