第32話 突発イベントの攻略方法が分からない



この温泉宿の部屋風呂は、




直に温泉が引かれており、川のせせらぎが見える半露天風呂の様な豪勢な作りになっている。



「では、お先に」



咲宮さんは、申し訳なさそうに先に風呂に入る。

「疲れているだろうから先に」と言ってくれる咲宮さんは本当に優しい。




部屋で一人過ごす。




一つ壁の向こうでは、咲宮さんが一糸纏わぬ姿になっている・・・


少し冷静になってくると、今起こっている事象のとんでもなさが際立ってきて、さらに混乱に拍車をかける。



ソシャゲ『迷宮』は、



ルーレットを回す双六ゲーなので、突発的に特殊イベントが発生する事がある。



(ぐ、なんて特殊イベント・・・前例が無さ過ぎて、どうすれば正解なのか・・・全くわからない)



心臓がバクバク鳴るのが自分でわかる。



どうする?どうする?



そもそも、どうなるのが成功なんだっけ感もあるが、どうしようどうしよう。

竜宮寺か美空社長に相談する?


・・・


それは悪手な気がする。




「あの・・・次どうぞ」




濡れた髪、浴衣姿の咲宮さんはいつにも増して色っぽかった。


「・・・はい」


その少し恥ずかしそうな仕草に見惚れて、さっき考えてた事が全て吹っ飛んだ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る