第25話 セレブ空間
竜宮寺の提案で、オフ会2ndが開催される事になった。
場所は、美空社長の家らしい。
は?
いや、どういう事が起こったらそんな事態になるんだろう。
当日、教えられた都内の高級住宅街にひときわ高くそびえるタワーマンション。あまりの凄さに目が点になる。
横の咲宮さんも緊張している様に見える。
「じゃあ、行きましょうか」
ドキドキしながら、セキュリティロックを解除して建物内に入る。入り口のエントランスにまず圧倒される。天井高い、ガラスで透けてて綺麗。この中庭みたいな所、水が流れてる。
これはもうリアル迷宮って言っても過言じゃ無いんじゃなかろうか!
まるで、ゲームの中みたいな空間に咲宮さんも興奮気味に見える。
大きなエレベーターで最上階まで上がって、指定された部屋に入る。ここも天井高い、ここ本当に部屋なのか?
「やぁ、遅かったね」
その部屋の中央、ドレス姿で、ソファに腰掛け、ワイングラスを傾ける女性・・・
・・・竜宮寺だった。
「鷲尾さん、このソファのふかふか感、これ相当な高級品ですよ」
「おお、すご」
「ちょっと!私の迫真のボケを殺さないで!」
竜宮寺は怒っている。
$$$
「やぁ、すまない、会議が長引いてしまってね」
30分後、美空社長が現れる。
ヘリで直接来たらしい。もう凄すぎて、コメントに困る。
「美空ちゃん寂しかった!」
子犬の様に駆け寄る竜宮寺の頭を撫でる。ホントこいつ犬みたいだな・・・
「楓と鷲尾君と・・・それから・・・君がトーカ君だね・・・」
美空社長は咲宮さんの方を見て、舐める様に観察する。
咲宮さんも萎縮して緊張している様だ。
「・・・楓から聞いていた通り・・・これはたいそう・・・」
・・・えちえちだな!
出てきた単語に脳の処理速度が追いつかずフリーズする咲宮さん。
「ねー!すごく、えちえちでしょ?」
「そうだな、すごくえちえちだ!」
盛り上がる二人を尻目に、涙目で咲宮さんはこっちを見てくる。
(いや、俺にも、どうにもできないです)
鷲尾も固まることしか出来なかった。
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