第24話 龍宮寺はその場に居たかった



「どおして!私もその場に呼んでくれなかったの!!」





翌々日くらい

朝の通勤電車で龍宮寺は叫ぶ。


周りのお客さんに迷惑だから声を抑えろ


(あ~あ、ホント惜しかったな)


(あんな場所に居ても気まずいだけだぞ)



(わっしーに守られて、きゅんとしてメス顔している、とーかさんが見れたかもしれないのに?)


(そんな顔してないから)


俺は咲宮さんの前に立ってたから、

顔は見えなかったけど




(で、その後、進展はあったんですかね?)




(え、何も?)



「・・・」

龍宮寺は信じられないという顔をこっちに向けてくる。




社内でその後、


俺の待遇が少し良くなった気がする。

いつも遅刻したら


「鷲尾君は何年目かな?、いつまでも学生気分じゃ困るんだけどな~」


と煽ってくる課長が、最近は


「昨日遅かったんだから仕方ないネ!」


って感じの接し方になってるし

俺が美空社長の知り合いだと思っているらしく、露骨に媚びを売ってくる。

むしろ前の方がマシとさえ思うが




「これは、オフ会2ndを開くしかない!今度は美空ちゃんも呼ぼう!」




美空ちゃんって・・・


俺は怖いもの知らずな

龍宮寺の発言に返す言葉を失いながら、

そのまま停車駅で降りる龍宮寺を見送る。



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