第18話 今夜は帰りたくない龍宮寺




「鷲尾さん、咲宮さん・・・私、今夜は・・・帰りたくないの・・・」





精一杯の流し目で

色っぽく言葉を吐く龍宮寺


午後13時集合、

あっという間に時間が過ぎて、

現在15時頃だ。



「よし、今日はもう解散で」




「いやあああ」




奇声を発する龍宮寺

「やだやだ、私、まだ、遊び足りないッ!!」



「我儘言うな、暇なら帰って勉強しろ」

「くッ」

龍宮寺の成績はあまり良くないらしい。




「私が帰った後で・・・わっしーと とーかさん 二人で、”しっぽり”するつもりでしょ!」




「しねぇよ!」「しません!」

咲宮さんと声が被った。




ソシャゲ迷宮は一日3ターンしかプレイできない。

それは一日3回ルーレットを回す権利が与えられるということで

一応7日分21回は貯めることが出来る、それ以上は古い権利から消えていく。


一日3ターンルール

これが、プレイヤーごとに大きな格差が生まれない原因であり

また、攻略情報が極端に少ない理由である。



一応さらにプレイターン数を増やす方法はある。

一日100円課金すればプラス3ターン分だけ追加する事が出来る。

これが迷宮唯一の課金方法であり

キャラガチャもアイテムガチャも一切無い。



正直、無料ソシャゲとして、どうやって収益を上げているのか謎である。

まぁ俺が心配する事でもないが、





「じゃあ、最後に一個だけゲームしよ!」





ゲーム?

今日はもう課金までしたから遊べないはず






$$$







龍宮寺は近くのゲーセンまで

俺たちを引っ張って行く。



「じゃーん!これやろ」



龍宮寺は表のバスケットゴールっぽいゲームコーナーを指さす。

フリースローゲームで5本中5本決めれば商品がもらえる奴らしい。

「一番たくさん入れた人が、一番少なかった人の言うことを聞くで、どう?」




バスケ・・・




龍宮寺は自信満々だった。

なぜなら、彼女の星城高校での部活動は

『女子バスケットボール部』だからだ。


現役女子高生に干からびた社会人の勝てる道理無し!


と思っていたら・・・



鷲尾はお金を投入して、無言でバスケットボールを拾い

5本中4本決めて見せる。


(あれ?なんか上手くない?)


次に咲宮燈華さんも

真顔で5本中4本決める。



(え・・・えええ、上手い・・・いやその胸で、バスケは無理でしょ?)





私の番が来た。


どっどっどっ


心臓の音が聞こえる。

私、こプレッシャーに弱いんだよぉ・・・




5本中2本・・・3本も外す。




策に溺れた龍宮寺はその場で膝をつく。






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