第11話 偶然の出会いからの、即バレ



会社のパソコンをシャットダウンして帰路につく。





今日は少し遅くなってしまった。

空は暗く、

ホームに入ってくる電車の明りは眩しい。



電車に揺られることしばらく、

星城高校近くの最寄り駅で

龍宮寺と鉢合わせる。



「あ、わっしー!!」



(今日は遅いんだな・・・)

と言いたげな顔をしていると



「私、部活やってるからね、遅くなる日も多いよ?」



「さて問題、何部でしょうか?」



俺は龍宮寺の会話を適当に聞き流している。

「水泳部?ぶぶー違います、あ、もしかして私の水着姿を想像しちゃった?」


(言ってないし、想像もしてないし)



一通り喋り終えたところで

龍宮寺はスマホを取り出す。



「蘇生してくれる人も居る事だし、迷宮メイズやらなきゃね」



アプリを立ち上げてプレイし始める。




電車は駅に停車する。

ぼんやり、外を眺めていると

小走りに電車に乗り込んでくる女性がひとり


あのきっちりしたスーツ姿にはち切れそうな体・・・もしかして・・・いや流石に偶然が過ぎる・・・




「あれ?もしかして、鷲尾さんですか・・・すごい偶然、お疲れ様です」




咲宮さん!?

なぜここに


研修先からの直帰らしい。

いや、そんな事よりも・・・この状況・・・


「ん?わっしー?その人誰?」


咲宮さんに、龍宮寺が見つかってしまった。





「え?」





制服姿の女子高生と一緒に居る俺を見て固まる咲宮さん

これ、どうしよう



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る