第10話 咲宮燈華も勘が鋭い




「あの・・・何か環境の変化でもありました?」




お昼休み

咲宮さんはふと疑問を口にする。


「え、何のことですか?」



「なんというか・・・TAPの仕方が最初の頃と違って『手慣れている』ような・・・そんな違和感が」





ぎくり





特にやましい事をしている訳ではない。

何も後ろめたいことなどないが

冷や汗が垂れてくるのを感じる。



そう俺は、

電車で女子高生に毎日、TAP(意味深)しているだけ



改めて、

言葉にすると『字ズラ』がヤバいな・・・




「すいません、細かい事が、気になってしまう性格なので」




このシチュエーション

まるで、刑事ドラマの刑事と疑いを掛けられている犯人のそれ


俺はなんとかはぐらかしつつ、その場を逃れる。




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