第6話 プライベートな問題
ソシャゲ【迷宮】
最初にガチャでプレイヤーを選んでゲームが開始される。
それぞれのキャラクターに固有のストーリーが準備されており
ストーリー展開によって、取得できスキルやステータスが大幅に変化する。
迷宮内のイベント進行もルーレット次第で、ランダムなので
個人のプレーは十人十色といっても過言ではない。
咲宮さんが
どんなキャラ使っているとか、どこまで進めているとか少しは気になる。
だが、それは個人情報、
使用キャラとか割と性癖が出る気がするし
自分の使用キャラを見せるのも抵抗がある。
まぁ、それはそれとして・・・
『他の人の攻略情報』は欲しい気がする。
ソシャゲ【迷宮】は攻略サイトが充実していない。
誰もが一日3ターンしかプレイできないんだから、検証のしようがないのである。
SNSとかまとめサイトの情報は過疎っている上に信憑性に疑いが・・・
・・・
などと考えてプレイしている内に
強敵マスを踏んでしまい、あえなく瀕死になる。
$$$
翌日、昼休み
俺が自販機の前に行くと咲宮さんもそこに居た。
彼女の彼女の行動時間は秒単位に決まったプログラムのように正確な気がする。
俺がちゃらんぽらんなだけかもしれないが
俺が申し訳なさそうな顔をしていると
咲宮はニッコリ笑ってスマホを取り出した。
蘇生後・・・
なんとなく疑問に思った事を口にした。
「『両方とも瀕死になった場合』どうなるんだろう?」
「それは確か、蘇生させることが出来ない仕様のはずです、あくまで生きているプレイヤーが救援に入るという形なので」
咲宮の説明
ゲーム中キャラクターが説明していたらしいが
ちゃんと読んでなかったな
つまり、俺と咲宮さんの両方が死んだ場合、
両方とも3日間のプレイ禁止になるという事である。
だが、例えば、蘇生後、俺がプレイを禁止して
咲宮さんが死んだあと、蘇生
次に咲宮さんがプレイを禁止して
というループを続ければ、そのケースは起こらない。
「あの・・・これ・・・趣味の娯楽なので、そこまで真剣にならなくても」
・・・それもそうだな
誰か他にプレイしている人が居ればいいんだけど
蘇生できる人数に制限はないはず
だが、このゲームは結構容量食うので他の人に勧め辛いし
俺は社内にも社外にもあまり友達が居ない『おひとり様』だし
「咲宮さんは『友達多そう』だし、心配無さそうだな」
「え?」
一瞬、凄い声が聞こえたような・・・
「はは、そうですね、私友達多いですから、心配ありません」
動揺を必死に隠そうとしながら咲宮は去っていく。
酷い地雷を踏んでしまった気がする。
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