　時期ヒトラーと呼ばれるほどヒトラーに似ている男が私の家に訪れるようであった。白黒の写真を見てみると、確かにヒトラーと似ていると思える。来客に期待を膨らませながら、食事はどうするのだろうかと考えていると、今日買ったパンがあることを思い出した。私は台所へと向かい、台所の戸を開ける。そこには米を使った料理をしている母の姿があった。炭水化物×炭水化物=夕食ではご飯(白米)を抜こうと思い、台所の戸を閉めた。

　玄関の方に目をやると、私の家に住んでいる猫が番犬のように、4足立ちで玄関の先をにらみつけていることに気が付いた。私はカメラを持って玄関の扉を開ける。外は既に暗くなっており、庭の方からヒトラーのような恰好をした男ともう1人の男性が、玄関の方へと近づいて来た。

　彼はヒトラーのようにちょび髭を生やしておらず、ヒトラー映画でよく見る茶色のコートも着ていなかった。代わりに、黒色系のコートを身に着けていた。髪型もヒトラーのように分けてはいなかったが、帽子をかぶっていたことで、私の注意がそこに向けられることはなかった。

　写真を撮影しようと思い、彼の後ろに回り込むと、なるほど、これは確かに時期ヒトラーであるなと思える風格であると分かった。

　家に入ると、彼はタオルを取り出し、入浴の用意をしていた。私と父親は、彼が入浴する前に浴槽につかることにした。