幸せな日々
私は今元気でございます。素敵な旦那様が毎日穏やかな眼差しで、好きだよと愛してくれて、可愛い息子の笑い声も響きます。
朝から朝食を作り食卓を囲み、洗濯物は色柄ものを分け好きな柔軟剤を入れ。
素敵な旦那様に行ってらっしゃいのキスをし、旦那様は息子にキスをし、私は息子を幼稚園へ連れていき、出勤します。
休みの日は仲良しの奥様たちと、ランチに行ったり。旦那様達は子供と戯れてみんなで談笑しています。シェアホームは本物の家庭をシェアする癒しと安らぎの空間となったようです。
そんな日々に思わず頬が緩むのてした。
マサから全額貸したお金が戻りました。奥様が全額支払ったそう。愛されていたのですかね彼。
悟さんとは小さな喧嘩もします。たいていは私が無理をしたと思いやりが過ぎて怒られるのですが、寂しく思う日だってあります。忙しくすれ違い素っ気なくしちゃう日だって。
そんな時はごめんねって言います。たとえ次の日に次の次の日になっても。
誰かを愛す事はとても難しいと思います。
毎日あなたの顔がみたい、今日の晩御飯どうすると問いかける相手はあなたがいい、休暇に初めて訪れる場所へはあなたと行きたい。あなたはそんな私を大切に思ってくれます。それだけでも充分なのです。
男女の愛は利己的で良いのかもしれません、本能ですから......その積み重ねによって私が悟さんの幸せを願わない日は無いのです。
般若は現在も入院中と聞いております。いつかまた会わなければならない日が来るやもしれません、ただもう私は怯えてはおりません。
ひとつだけ......兄が風のうわさで聞いたという話は
『捨てさえしなければいつでも拾いなおせる』という謎の独り言を何かに憑りつかれたかの如く繰り返し呟いていると。私にはその意味が分かりません。
どなたか教えていただけませんか。
私は決して離縁を勧めてはおりません。
ただ、あなたがもし毎日床に落ちるほどの大きなため息をつき、めん玉を裏返るほど上へ向けているとしたら
あなたの隣にいるのは般若ではないですか
世の中には、愛して結婚したはずが人の心持たぬ者だったりします。
人生は一度きり。義理も人情も世間体もお金も大事です。ただ、今は今しかございません。
遠い日の契りに縛られず、その縄を振り解いても良いのです。あなたのせいではないのだから。
自分を大切にすることが延いては誰かを大切するやもしれません。
得体の知れない愛情が狂気となり憎しみに変わりゆくのは悲しくも恐ろしいものですから。
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