エリアード (短文詩作)
春嵐
エリアード
「エリアードは?」
いない。
「疲れてるんだろうよ」
「いや、そうか、まあ、そうだな」
疲れているだろうけど、結局のところ違う理由のはず。
「ここで解散?」
「まあ、やることはやったしな」
「じゃあコンビニ行ってくるかな」
コンビニを理由に、その場を離れる。
エリアード。ひとりで泣くときは、路地裏。どこだろう。位置情報も切られている。
なんとなく路地裏をぐるぐる回っていく。
「お」
いた。しゃがんでうずくまっている。
泣いてた。
とりあえず後ろに陣取る。声をかけることはできない。
人一倍がんばって、そしてひとりで泣く。それがエリアード。しかたのないことなので、まあ、眺める程度しか、できることがない。
泣いている。路地裏。光は差してくる。彼女の静かな泣き声だけが、聞こえる。それだけの時間。
エリアード (短文詩作) 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます