第13話 お買い物その7

「お買い上げありがとうございました」

さてと、無事に髪留めを買うこともできた。どうするか。

一瞬、このまま帰るというアイディアが浮かんだが、流石にそんなことはしない。なぜなら、せっかくプレゼントを買ったからだ。

じゃあ、アイツを探しに行くしかないか。だがしかし、たしかアイツは下着を買いに行ってるはずだ。

はあ、待つしかないか。とはいえ、待ち合わせ場所を決めてなかった。

そうだ。こういう時のLINEだ。やっぱり、文名の利器を使わない手はない。

今、俺がいるのはレジの近くだ。ここのレジはここにしかないから、この場所でいる方が俺にとってもアイツにとっても1番楽だろう。そう思い『買い物が終わったらレジの近くで集合』と送った。

さあ、少し時間ができた。となると、するべきことはもう決まっている。鈴佳のことだ。まずは作戦の第一段階は達成できた。次はふう先にGPSを取り付けてもらう。だったら、今できる事はふう先に髪留めの準備ができたことの報告だ。

『これを買った』

髪留めの写真と一緒にそう送った。

………

やるべき事がなくなった。そんな事を思い、Twitterを開こうとすると

ピロン

何やら通知音が鳴った。タイミング的にふう先か由香のどちらかだろう。そう思いながらLINEを開くと、『えっちゃん』から返信がきていた。

『了解』

『もしかして、そっちの用事は終わった?』

こう返信がきていた。

もう終わっていると言って相手を急かすのはよくないと思ったので

『もう少しだ』

と返した。

ほぼ、それと同じタイミングでまた

ピロン

と着信音がなった。

今度は、『ふうちゃん』からの返信が来ていた。

『了解。じゃあ、帰りに私の家に持ってきて』

こんな文章が返っていた。

ちょっと待ってくれ。そんな事、言われてもふう先の家なんてしらないと送ろうとすると

再びピロンという通知と共に

『ここら辺』

というメッセージとGoogleマップの案内と家の周辺の写真がいくつか送られてきた。

『がんばって私を見つけてね♡』

と最後にこう送られてきた。

『了解』

そう俺は返信した。

これでひとまずLINEは処理できたので顔を上げるとレジに並んでる由香の姿が見えた。

このまま1人で過ごすよりは有益な時間の使い方ができるだろうと思い由香のところにむかった。

「よっ」

俺が声をかけると

「なっ」

そんな驚嘆の声をあげた。

そんなに驚かなくてもいいじゃないか。

「なんであんた、もういるのよ!」

寧ろどうして俺はいないと自信をもっていたのかと言おうとすると

「もう少しかかるって言ってたでしょ」

ああ。そういえば、そんな事を言ってたっけ。

「悪い。もう終わってるって送ったら急かしてるみたいでよくないと思ったから、そう送ったんだ」

「そ、そうなんだ。でも、そこに気を回せるんだったら他のところにも気を使ってほしかった」

由香は小さくそう呟いた。

なんのことだかと一瞬おもったが由香が買い物かごを後ろにしているのをみてすぐに察した。

「なんか悪かった。一旦、外に出るわ」

「うん」

俺がそのことを察したのを意外、そういいたげな表情を由香は浮かべていた。

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