第6話 ふう先との☆作戦会議☆
さて、どうするか。
韻夢の話では鈴佳は基本的には図書館で勉強して7時ぐらいまで勉強していたらしい。で、水曜と土曜は塾がありその日は10時ぐらいまで勉強してたらしい。
でも、今はどうだか分からないようだ。
意味ねぇじゃねぇか。
やっぱり、ずっと尾行するしかないのか。取り敢えずはふう先に連絡するか
『悪い、ふう先。情報収集してみたけど有益なものは得られなかった』
ピロン。
『そっか。残念だったね。じゃあ、どうするの?』
はやっ。なんでこんなに早いんだ。
『早すぎないか?』
『えっ、普通でしょ』
なるほど、これが女子高生の普通か。
よく分からん。
『おっ、そうか』
『そうだよ』
まさか、ふう先まで淫夢中!?
そんなわけないか。
『そうだな。暫く、放課後アイツを尾行する』
『やっぱり、ストーカー』
『言ってただろ。止めるのか?』
『いや、止めないよ。だって、君に入部してもらわなきゃダメだもん』
『そっちの方が優先かよ』
『それもあるけど、君は変なことしないだろうしね』
『じゃあ、しっかりと話を詰めていこうと思う。今から、電話してもいいか』
『ちょっと待って。自分の部屋に戻るから』
『分かった。大丈夫になったら、そっちから掛けてくれ』
鈴佳をつけるとはいっても勿論、ストーカーとは違う。ストーカーと間違われないように何か対策はしないといけない。しかも、本人に尾行していることはバレない方がいい。ダメだ、全く解決の糸口が見えない。どうしたものか。
ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。
ふう先から電話だ。
「あっ、もしもし。零斗くん」
「もうOKなのか。ふう先」
「うん。あれ?君、昼とちょっと声違う?」
「そうか?自分ではそんなつもりはないんだが。あっ、アレか。そもそも、電話は相手の声が直接届いてるんじゃなくて似た声が届いてるってヤツが気になるんじゃないか」
「う~ん。他の人と電話してる時は全然感じないんだけどな~。もしかして君って、いつも学校で声作ってるの?」
「そんな事は全くない。何で、そんな面倒なこと」
「はは。君らしい返し方だね。じゃあ、君の声と近いのがあんまりなかったのかな」
「そんな、変わってるのか」
「意識したら、違うって分かるけど意識しなきゃ気にならないよ」
「そうか。じゃあ」
「分かってるって。鈴佳ちゃんのことでしょ」
「ああ」
「どうするの?何か考えある?」
「それが全く思いつかないんだ。どう足掻いても俺たちが通報される未来が簡単に予想できちまう。ふう先なんかないか」
「どうだろ。ねぇ、鈴佳ちゃんってどこに住んでるの」
そんなこと、教えていいのかと思ったがふう先なら少なくとも鈴佳に迷惑なことはしないだろう。
「エグラン公園ってあるだろ。そこを北出口から出て右に曲がって、ローソンのところまで真っ直ぐいってそこを右に曲がってちょっと進んだところに見える二階建ての緑の屋根の家だ」
「エグランからローソンで右……あっ、あそこか。じゃあ、こういうのはどう?そのすぐ近くにホテルがあったでしょ。そこ、私のパパが経営してるんだ。私が、都合をつけてくるからそこからみてるっていうのはどう?」
「ふう先ってもしかして結構なお嬢様?」
「そうなのかな~。別に家はそんなに大きくないし、お母さんは宝石集めのんて趣味ないし」
「ふう先からしたらお嬢様ってそんなイメージなのか。まあいいか。家に帰ってからならそれでいいと思うがそれ以外の時はどうするんだ?」
「GPSつければいいじゃん。流石に、人がいっぱい居るところでは何も起こらないだろうし人が少ないところに行ったら追いかけるの。いいアイディアでしょ」
たしかに、それで大丈夫だろう。だが、それだとあまりにもふう先に迷惑かけ過ぎてしまう。どうしたものか。でも、俺には他の選択肢もないし
「じゃあ、その方法でいく。そのGPSってどうやって付けるんだ」
「そうだねぇ。こういうのはどう?君が鈴佳ちゃんに再開できた記念にって何かプレゼントするのでその中にGPSを入れるの」
なるほど。いい考えだと思う。そうだな女子高生、普段から身につけて持ち歩くもの……さっぱり分からん。ふう先が今つけてるもの。
うーん
「ねぇ。君、なんでずっと無言なの?」
「悪い。鈴佳に何渡すか、考えてたんだ。女子高生が普段から身につけてるものって何かって考えてたんだ」
「へぇ~。でっ、なにが思いついたの」
「下着」
「………まあ、そうだけど。男の子から下着もらったら女の子は困っちゃうよ」
「分かってるけどこれしか思いつかなかったから仕方ないだろ」
「はぁ。ねぇ、鈴佳ちゃんって髪結んでる?」
「結んでるけど」
鈴佳はちょっと短めのポニーテルだ。
「じゃあ、髪留めにしなよ。細工するときに便利だからできたらゴム製のやつでね」
「どんなのにすればいい」
「女の子は他の女の子が選んだ物を男の子から渡されたたら悲しくなっちゃうよお。だから、君が自分で考えるんだよ」
そう言ってふう先輩は電話をきった。
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