ceive ー君がくれた夢の続きー

riochan

ceive ー君がくれた夢の続きー


【 Ⅰ 】



忙しく動きまわる日々


無意識でもこなせるような用事を

抱えた僕は子供たちが

喜びはしゃぐ遊園地がある街を

車で移動して ふと、君のことを考えた


「こんな時に何で君を想うのだろう?」


自分の無意識層の自由さに

自由で呆れ笑いを浮かべる


(何気に)視線は遊園地の方へ向けてたんだ


すると、


その遊園地の前に(君)は立っていた。



(こんな偶然はあるわけない)




歩き出していた君を追いかけ


やっとのこと追い付いた時に


こう声をかけた。



「あの・・・ずっと君を知ってました。」






何故、自分のことを知っているのか?と

問う(君)に 息をきらせながら僕は答える






(君)を自らの(無意識)が意識しはじめた

その始まりを。




どれだけの時間(君)と話したかは

興奮していた僕にはわからない



(君)を知った(はじまり)から


そして


(君)が昨日、何を着て、

(何をして過ごしていたか)さえも


僕が知っていることの全てを


君に話した。





(こんな偶然あるわけない)し


次に(君)に会える気にも自信さえもなく



突然呼び止められた君は

先を急いでいるようだったし


最後にこうして(会えた偶然)の記念にと

一緒に写真を撮ってもらうことにした。



「じゃぁ、1枚だけなら」と許可してくれた(君)と僕は構図のセンスのかけらも無い

ピンボケ写真の中に収められた。





【 Ⅱ 】




「あ・・・」



「どうしたの?」




君は僕の顔を覗きこんで

不思議そうな顔をしていた。



(君)が遊園地の前にいたのを

見つけた僕は(君)を追いかけ、

呼び止めて話した事の一連を

君に話した。



「へぇー。変な夢ね。私はずっと隣にいるよ」



夢・・・・?



「えっ?夢?」





たしかに僕は寝起きだ。





さっきまでの記憶と

今の自分の状況から判断しても間違いなく


あれは夢だ。





「抜け起きた夢 」を 叩きつけられた。






【 Ⅲ 】




「あっ、私、そろそろ行かなきゃ」



白地にピンクのラインが入った

(無意識層)で知っていた(君)の旅行用の

リュックに荷物を詰めてる君。



山の中のポツンと立つバス停までの道まで

何が何だかわからないままに僕らは歩き


君を無事にバスへ乗せることが出来た。





窓際でバイバイと手を振る君に


歩道で不安なバイバイを振る僕





バスは走り出して 小さくなる君の姿


(バスの前方の席に座る君)






(バスの後方の席にいた僕)





「これは夢だ」


「間違いなく夢だ」


(こんな不自然あるわけない)


今度は夢だと気付いたし


そのバスに僕は乗ってちゃいけない




全く想像も出来ない(精神錯乱世界)に

行ってしまう感じもしたし


次のバス停で(君)に気づかれないように

バスを降りた。




今度こそ 君を見送ろう


(無意識層の君)を





僕が降りたバス停は


また僕が(無意識)に知っている

見知らぬバス停。




「ヤバい・・・」


僕は一体どこからこんな話が

始まったのかさえわからないけど


此処からすぐに抜け出してしまおうと


(目を覚ました)






頭が重い・・・


どれだけ寝ていたんだろう?


それにしても変な夢だった。


夢の中で 夢を見て 夢だと気付いた(夢)


そう、


これは 私がはじめて見た【多重夢】


関連性のある事柄が

横に連鎖する(多重夢)でなく


縦に深く深く連鎖したような

夢の中の夢に気付いた夢



ー人は寝ている間(君)を

現実だと思っているー


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ceive ー君がくれた夢の続きー riochan @riochannovel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る