第6話 お嬢様は過激な脳内をフルオープンにしてしまった件!【完】
車が停車したのは超高級住宅街区画のど真ん中、師岡区。こんな場所に入るのは昔、四之宮先輩に出会った時以来だからかれこれ10年ちょっと前のコト。今思えば何で四之宮先輩がココに居た理由もよく分からない。
昔の思い出に思念をトバしていたら、彼が車を降りたので、私も続いて降りる。
まず、大きい!
何処かの夢に出てきそうなほど大きい城壁。おっさんニート……じゃなくて、いや、いやいや。もしかしたらニートはニートでも働くコトを必要性すら無い超お金持ちなニートなのかも。コレは考えを改める必要性が……。ハッ‼私は何を考えてたのっ!はしたない。
あっ!メイドさんだ!つまり、ということは?彼は超お金持ちなニートが確定しました!
「ただいま、四之宮クン」
ええっ?!あのメイドさんって四之宮先輩なのぉ?!?!早く降りなきゃ!
「もう、お兄様!いつも通り二人の時は神楽って呼んでくれなきゃイヤですよ?」
?!
お兄ぃ……
「様ぁ?!」
「だって二人じゃないからな。って遅かった……、いやこの場合は降りるのが早すぎたな」
ぁ、泣いた。
「え?羽美さん?!」
「四之宮先輩!お兄様って!お兄様って!!それよりもメイドさんにさせられて、お兄様って呼ばされて!一体どうしてそんなプレイを強要されてるんですかぁーー!!」
色々違う。
「待って待って、羽美ちゃん!違うの。私はお兄様のメイドに昔から憧れを抱いてて、ほら!初めてアナタと出会ったあの頃から!」
待て待て待て。色々話をややこしくするな!我が妹!
泣きながら、ズシン!ズシン!ズシン!と下を向きつつオレの前にやって来る彼女。迫力あるなぁ。うん。逃げ場が……無い!
「貴方……。貴方の御名前!なんですかぁ!!」
「
私はこの時頭の中で全てのピースが合致してパズルが組重なった。
泣いてはいたけれど、隣に居てくれた四之宮先輩の胸の中で泣き止んだ。正直、役得!
このおっさんニートと思われしこのお方こそ、日本が誇る四大財閥の一角【四之宮財閥】の現当主にし、四之宮神楽先輩の実のお兄様(コレは今しがた聞いた!)であり、今のスマートフォンに超高性能なカメラを取り付けることの先駆けとして、携帯電話にカメラ機能を付けようと提案した世界の立役者。
でも、でもでも!
「『私の四之宮先輩のメイド姿』を一人で監視するなんて!『卑猥野郎!!』」
この子、こんな状況下でありながらお兄様に立ち向かってるなんて!凄い……。
「ご当主様、あのお嬢さんの首を
蝶十郎の後ろに控えていた暗部が狙撃態勢をとる。
「駄目。あの子はオレの未来の嫁だ(小声)」
「……了(小声)」
凄まじい度量の器だな、オレの彼女さんは。
だが、それくらいでないとオレの未来の嫁は務まらん。
オレはこの子のコト、もっと近くで見ていきたい。
「それにしても卑猥野郎か……。今まで周りに居た人からそんな言葉聞いたことないから正直驚いてはいるよ。でも、もうオレはキミしか見てられないくらい惹かれてるし、もっと近くに居たい。キミはこれからどうやってココで暮らしていきたい?」
「そんなの決まってます!」
「うん、聞こうか」
「貴方の当主の座を剥ぎ取って、私が四ノ宮先輩とイチャラブスローライフを堪能しまぁす!!」
!!
?!
「ご当主様、あのお嬢さんの首を
「駄目。オレも当主としての格を見せないとキミら暗部に示しがつかないだろう?それに…… 彼女はお嬢様に成る道を選んだ。過程はぶっ飛んでるけどね(小声)」
羽美ちゃん、こんな状況下でそんなにも私のコトを想って発言してくれるなんて。……カッコいいっ。私、とっても感動しちゃった。ポッ(*´艸`*)
「確かに聞き取ったよ。でもオレの当主の座を奪い取った後は誰が当主になるんだい?」
「わ…」
「そんなのボクに決まっているじゃないですか。四ノ宮蝶十郎サン♪」
四ノ宮家当主が唯一劣ってしまう相手が其処に佇んでいた。
なんで今其処に居る!
なんで彼がココに居るの?!
「あ、あんた!どうしてここに?!」
私は絶対に彼は無縁だと思っていた。
ここは超高級住宅街区画のど真ん中の師岡区。
「やぁ、学校の放課後ぶりですね♪羽根さん」
「て、低級霊!?」
「……その認識には驚愕ですよ。相変わらずの脳内フリーダムですね。師岡です、
彼がココになんで今居るのかは本人以外理解できては居ないだろう。
「師岡君…… アナタ!私をストーキングしてまで四ノ宮先輩の家を探って!そこまでキショイやつだとは思わなかったじゃん!最ッッッ低!!」
一人だけ分かっているようで全く違う明後日のほうに頭の中身が
「待ってくれないか?確かにボクはココに居るが羽根さんを付け回したりはしていない。ボクはボクの用事で旧四ノ宮財閥当主に会いに来たんだ」
ピクッ!
蝶十郎の眉がピクリと跳ねた。
「旧とは……。 どういうことだい?師岡さん」
さらりと師岡君は事実を伝えた。
「四ノ宮財閥の100%の株を師岡財閥が補完した。もう既に四ノ宮財閥はこの世界から消失している。先輩、神楽先輩はこれから、どうしたい?」
え?そこで私への問いかけはおかしくない?
「私は……、メイドとしてのお仕事が好きだからこれからもどこかでメイドの仕事をしたい。かな」
「直なところはいいですね。惚れ……、たら後ろにいる鮫に頭を食いちぎられそうなので…… ません!」
ふしぃぁあああ!!
獰猛な鮫は地上にもいらっしゃったようです。
「ならば蝶十郎さんと一緒にウチで働いたらどうでしょうか。もちろん。羽根さんの専属メイドには神楽先輩を固定にします。よろしいですか?」
『異議なし!!』
「私は、どこでもメイドのお仕事ができるのなら」
決まり、ですね。
「これはボクの人生で2回目となる告白になりますが……」
??
??
??
「羽根羽美さん」
『貴女のコトが好きでした!生涯を共に過ごす伴侶となることを前提に付き合ってください!!』
?!
?!
『嫌に決まってる!キモイんじゃ!ホモ野郎!!』
!!
!?
「な、なぜボクがホモ扱い……(泣)」(´;ω;`)
「男性教諭に一度目で真剣なまなざしで告白するところは見せてもらったんじゃ!」
「あれは、貴女と同じ罰ゲームで……」
「それに私、共にするんなら今の彼氏とが良い!もっとアナタの色んな姿を私に魅せて?」
「どうしてオレなんだい?羽美さん」
ふふっ。
微笑を浮かべながら彼女はオレの周りをくるりくるりと踊る。
「神楽先輩のコトを考える時間が無くなったのって、貴方のコトを考える時間が楽しいなって不思議に想ったから…… っていう理由じゃダメ?」
オレの彼女さん、今の表情……!
すごく綺麗だな。。。。。。
END
その後、羽美の彼女となった神楽は二人で破りあいましたとさ。
公園でニートのおっさんに告白した結果お嬢様になった件! d雷⊙人⊙風b @gattoh_gw_
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