水球 女子

 どっかの番組でビートたけしさんが「水球女子なんて誰が見るんだ」と煽っておられたので、じゃあ私がみてやんよ! と見事に煽られた私でございます。まあ正直にいうと毛ほども興味はなかったんですけど、水球ってヨーロッパだと大人気スポーツなんですよね。というわけで、ちょうどライブなオランダ対カナダを視聴です。


 ……水球って英訳はウォーター・ポロなの!?


 誰だよ、ハンドボールやバスケに似てるって言った奴! 全然まったく別物の競技じゃねぇか! これは……これは……え、水球としか言いようがない技術体系に満ちてません? 舞台がプールなので躰の自由が利きにくく、結果として攻撃側が圧倒的有利なようです。フィールドの大きさは……30メートルくらいかな?


 ……この人たち、何回往復するのん……?


 すいません、普通にちょっと引いちゃいました。っていうかネットあたりだとマンガやら水球という競技の激しさだけが伝わって女子は胸ポロがどうとかなんとかその手のまさに性的な目でうんぬんな話が広がっていますが――、


 いや、体幹お化けに唖然とするばかりなんですが?


 てかディフェンスラインの選手、そんなところでボール片手に手を振って、パス回せそうな相手が――シュートしたー!? 惜しくもバーに弾かれましたが……バーがびよんびよん揺れてるんですけど!? 女子だよね!? シュート早くね!?


 水球はどうやら4クォーター制のようで、1クォーターごとに監督の周りに集まり戦術に耳を傾けます。そして気付く。体型のバラバラ具合。つまりこれは、役割の明確なタイプなスポーツだな……!?


 勝負はすでに第4クォーター。オランダが11点、カナダが10点目とったー!

 響き渡るエキサイト・ヴォイス。……いや、あんたらもう、40分ちかく泳ぎっぱなしなわけですよね? 交代がいくつかあったとしても20分くらいは……立ち泳ぎしながらそんな吠えられるものなの……?


 私はもう選手のフィジカルに圧倒されっぱなしなんですが、ああ、なるほど、シュートを撃つ間際の、選手の肩甲骨まわりで盛り上がる筋肉はたしかにセクシーかもしれない。すげえ、その肩どうやってつくりました? みたいな。


 残り5分のところでオランダがいい加減に諦めろやと言わんばかりのシュート! これで12点。決めたのは途中交代で入った選手。右腕のタトゥーとそこから決めた1点は心のなかの中学二年生をくすぐってきますね。


 外国人の方の顔は見分けなれていないし、全員が鼓膜を保護するためのキャップをかぶっていらっしゃるので、正直ちょっと誰が誰だかよく分からないのですが、キャップについてる番号で‥…番号で……遠すぎて判別がキツい……! この辺は昨今のAR系技術を駆使してサッカーみたいに改善していただきたいところ。


 お、おお? 流れが一気にオランダに……前半は押され気味に見えていたのに。やっぱりさっきの中二心をくすぐる選手の突き放す1点が流れを変えたんですかね? んなことを書いていたらカナダが意地の反撃、残り2分で3点差です。


 って、ウォー! カナダの7番、肩ヤベー! 2点差!


 ここでたまらずオランダタイムアウト。やだ、監督さんが激渋の鬼コーチ感。たまにバースデーケーキとかもらって泣くほど喜んだりしそう。


 だから諦めろやと言わんばかりにオランダ11番がロングシュート! 3点差!

 そして終われと言わんばかりの4番のパスからダメ押しの1点。オランダはスペインと並んで1位通過の模様です。


 えっとね……普通に、めちゃくちゃおもしろかったです。日本のマンガやアニメはアホな宣伝ばっかりしてないでマジメな方の宣伝をもっと頑張って! 現代の技術を駆使して分かりやすくすれば流行る要素あるよコレ!


 あと私の中二心をくすぐったオランダ4番のタトゥーさんはサブリナ・ファン・デル・スルートさんというそうです。ロクに読めないオランダのページに眉をしかめながら読んだところによると、


 ……ヨーロッパの水球女子ベストプレイヤー賞……MVPってこと…?


 そりゃ、中二心を一発で鷲掴んでくるわけですわ……。

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