セーリング

 海……海はいいよね。

 風……風はいいよね。

 海で風を受けたら最高じゃね!? 


 ということでセーリングです。これ悲しいことにgorin.jpに動画がねーんですけど……オンタイムで見るしかないのだろうか……まあ長くなることもあるから仕方ないよね。


 さてさてセーリングですが、ルールは極めて単純であります。帆に風を受けて沖合のブイを回って帰ってこいや! いさぎよいですね。船の形や大きさ、乗り込む人数などでいくつかのクラスに分かれていまして、私が一番好きだったのは双胴船カタマランという読んで字のごとく船体が二つあるヨットを二人で操る競技だったのですが……北京で正式種目から外れちゃいました……。


 そんな現状、私が特に好いているのはシドニーから採用された49er(フォーティナイナー)、次点で470(ヨンナナマル)ですかね。


 どちらも二人乗り(ダブルハンドという)のヨットとなっていまして、まぁなんだか忙しい競技なんですよ。また専門用語が多いから知らない人に説明するのがやたらめんd……難易度が高いんですね。まあ知っておけばいいのは舵取り兼リーダーのスキッパー(船長の意)とサポート役のクルー(船員)で大自然と戯れることだけ。


 これねー、どっちも魅力的なんですけど、やっぱり絵的な面白さは49erなんですよね。スキッパーとクルーが帆につながったワイヤーを船なんですが、セールがデカいから基本的に船外に躰を倒すんですよ。

 

 ええ。船外に躰を倒して、他の船とバチバチに競うんですよ。


 海が荒れてて強風のときとか見てるだけで背筋がゾワゾワしてきますぞ。目にする機会があったら是非に! セーリングはお金がかかりすぎるので日本はめちゃくちゃ苦労しながら頑張ってるんです! だから見て! 私も見るからー!

 

 ポチっと……ライブやってる、これは――!?

 カタマラン……!? 

 あ! 船の下に板が! 混合フォイリングナクラ17級ー!

 

 知らない方が大半を占めるであろうフォイリングナクラ17級は男女混合の二人一組、船体の下に波を切る用の板がついたカタマランを使うレースです。


 ヨットレースの基本は順位によってポイントを獲得、日々レースを重ねて総合ポイントで勝敗を決める形。ざっくりいうとF1とかラリーとかそういったのと同じですね。ということは、そうです。途中で優勝チームが分かっちゃうじゃん……。


 そこでヨットはメダルレースというシステムを導入。決勝に残った十艇はポイント二倍のレースに出られるのです! 

 

 競技の説明だけで大半を使ってしまった……。

 遅まきながら絵的な面白さを紹介しますと、カタマランの派手さはやはり片胴航行であります。船というのは水上を走るものですが、悲しいかな船の最大の敵は水という抵抗なのです。じゃあどうやって速度をあげる?


 ラインを掴んで二人がかりで船外に躰を出して、片側を持ち上げりゃいいのさ!


 あ、ちょっと誤解のある表現でした。転覆を防ぐ意味合いでやってたりもするので体重で船を持ち上げてるわけではないですよ。もちろん、コーナーリングのためにやるってのもあ――ニュージーランド転覆したー! 早く! 早く起きるんだ! 

 

 いい風が吹けば、時速五十キロ以上でかっ飛んでいけるさ。

 飛んでいくって大げさな。

 いやね? フォイリングナクラはマジで空を飛ぶんだよ。


 船底についてる板キレはフォイルという名の水中翼なのだ!

 そしてカタマランならではとなる双胴の間に張られた布の甲板は、水上で発生する揚力を受け止める! するとどうなる。


 加速すると空を飛ぶ。マジで。


 もうどこの船も飛んでます。傾いて飛んでる。波を切り裂き転覆寸前、もうほぼ横倒しになっちゃいましたけど!?


 ラインを握って船体の横側をあっちこっち移動してるのはさながら軽業師のようですが、ジッサイ軽業師なのであった。


 ターンを終えたら風向きが変わります。素早く船体に戻って前帆を畳み、その間にスキッパーは飛び跳ねるように反対側へ移動、風を……凪いでるー!?


 でも大丈夫! パンピングといって帆を揺すり力任せに加速、波に乗ったぞ!


 ――飛べぇぇぇぇぇぇ!


 いや、そういう競技じゃねぇんだけど……海も風も最高だし、なんでもいいよね!

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