カヌー スラローム (カナディアン)

 マウンテンバイクの次は海の森クロスカントリーコース(仮設)つながりで馬術! と思ったけど先にカヌー! スラローム! 

 何でかって思い浮かんだからです。


 だって、フィジカルモンスターのフィジカルモンスターっぷりを眺めるのって楽しいじゃないですか。石油王がアブダビコンバットを開催するのも理解できるってもんですよ。


 まあ五輪なんて四年に一度あらゆる競技のフィジカルお化けが一同に会するお祭り騒ぎなわけですが、水上競技も大概すごいですぞ。


 そんなに時間がかかるわけでもないので、お手すきの時間にカヌーのスラロームは見ておくと、おふぉ……、となりますよ。日本の選手では羽根田はねだ卓也たくやさんが前回大会カナディアンで銅メダルを獲得。今回だって決勝まで残ってみせました。


 さて、スラロームはパドル(かい)の違いでわけられていまして、片方だけのカナディアンと、両側についてるカヤックとなっております。なるほどカヤックの方が楽だな。ウソつけ、どっちもやべえぞ。


 基本的なルールとしては激流を下りながら門と呼ばれる棒の間を通過し、完走までのタイムを競うという感じです。門に船や躰が接触したら減点、不通過は挽回不能レベルの大減点となっていて、恐ろしいのは、通過しなくてはならない門には下から回り込まなくていけないのがあること。


 そう。波に乗り、パドルで漕いで、激流を遡って通過するのです。

 見れば分かりますが誰も彼もが体幹お化け。

 また凄いのが、予選あたりまでは二本やって早い方のタイムを採用するのですが、後半は一発勝負となっております。

 

 普段を知らないのでアレですが、今回は流れるプールな環境で波を作り出してますので偶然の産物など生まれるはずが……あります。そりゃそうだ。水なんだから。屋外ですから風の影響もありますからね。


 そんなカヌースラローム(カナディアン)、結論から申しますと優勝は決勝では唯一の百ポイント切りを果たしたスロベニアのベンジャミン・サブセクさん。

 ……やだ、日本語の情報が全然ない……。

 ツイッタを見つけたけどフォロワー三百人ちょっと……しかもスラブ語族……ニュアンスくらいしか分からないし、呟きも古いのばっかり……てか、スロベニアってスロベニア語なのか……まったく分からん。


 えっと、他に分かることは……出身地はリュブリャナ……私ココ知ってる! ライバッハ会議のあったとこ! 今の街はいつ出来たのか知らんけど超絶キレイなんですよ。日本人の思うザ・中世な雰囲気。でもって近くに湿地帯がありまして、先史時代には丸木カヌーを使って生活してたトコです。よーし、なんとかカヌーにつながった――って、


 つまり、サブセクさんは遺伝レベルでカヌーィストなわけですね。そら強いわ。

 

 ……リュブリャナって日本の感覚で言うと、つくば市的な、学園都市めいた街だったような……? お前もか、カヌー。

 

 あ、そうだ、競技の話に戻らねば。

 これ上位陣を見てて思ったんですけど、強靭なフィジカルがなせる技なのか、パドルで漕いでないんですよね。いや、もちろん漕いではいるんですけど、パドルを水流にぶっ刺すと、すいー、って狙った方向にカヌーが滑っていくんですよ。なんというか、水と友だち感覚でやりあってる。


 他の見どころ?

 こんな馬鹿げた体力勝負を一日に何本やるねんっていうトコ。

 あと屈強なマッチョたちが揃いも揃って試合後に『ビール飲もうぜビール!』な空気感なところ。ぜったい顔くらいある赤身肉でBBQしてるよこの人たち……。

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