四話 後悔の動機
その日の残りは、三家庭でお祝いパーティーをして、終わった。特にそこでは何も後悔することはなかった。ただ一つ思ったことは、このイベントがあったのかと疑問に思った記憶だけであり、それ以外は第二の人生を楽しく過ごせたと思う。
そして、次の日。俺はまだ部活としては新入生は活動してはいけない時期ではあるが、朝練へ出かける。確か俺の高校では、朝練はokだったような気がするから。そういう言い訳を考えつつ、体育館へ向かった。
■
誰もいない体育館、朝の光が差し込めてきて、心地よい。手を広げ、光を全身に浴びる。懐かしさに浸っていたその時に、後ろからやってくる人影があった。瓜生先輩となんと幸であった。俺は少し顔を赤らめながらも、話しかけた。
「おはようございます!先輩!...と幸ちゃん」
好きな人と挨拶するのってこんなに幸せなのかと思った。
「おはよう、賀翼。お前が一番早いな。」
「はい、家が近いし、朝派なんで...」
彼女の方は何か言いたげだが、何もいってこない。
「...ふ〜ん、そうか...よし、2人で打ち合え!私は1人でやっとくから!」
そう言い、先輩はシャトルを取りに、倉庫へ向かった。先輩の言う通り、俺たちはラリーをすることとなった。彼女はまだ何も言わない。好きな人と一緒に打ち合えるなんて、なんと幸せのことか。でも、一つ疑問を感じることがある。なぜ彼女はこの時間にここに来たのか。そこで俺は恐る恐る聞いてみた。
「今日はどうしたの?」
楽しく打ち合いながらも、彼女は真剣だったのだろう。打ってる最中は何も言わない。俺がスマッシュを決めて、打ち合いを一時終わらせたとき、彼女は口を開けた。
「昨日、一緒に打ってるくれる?って言ってくれたでしょ。そのときは何も感じなかったけど、後々深く考えて言ったら...」
彼女の顔はとても真っ赤である。俺はいけないと思った。もしかしたらやってしまったのではと思った。俺が彼女を好きなのは確実なのに、こんな伝え方はなんかいけないと思った。
「え?あ〜、あれは別にそんな深い意味は...ない。だから、気にしないでくれ!ただ同じ仲間として打ちたかっただけなんだ。」
彼女の顔は少し元の色に戻った気がする。
「そう...」
そして、2人はまた打ち始める。この時間がもっと続いて欲しいと願う俺、一体何を彼女は思っているのだろう。そう想像を広げていく。
■
朝練の時間はあっという間に過ぎた。俺と幸は少しばかりの別れを言い、先輩とも別れて、自分の教室へ向かった。そこへむ遭っている最中、俺は考えることした。普通こういう空き時間は趣味か勉強のことしか考えていないが、第二の人生について深く考えることにした。そもそもこのタイムリープの動機、俺の考えでは”深い後悔”なのではと思っているが、はたしてそうだろうか。それが動機ならなかなか実験がうまくいかなそうだ。この人生、うまくいくのか。多少の不安はあるものも、必ず成功させてやると意気込むのであった。
しかし、彼はまだ知らない。本当に”その深い後悔”がこのタイムリープの動機なのか。なぜ彼はタイムリープしてしまったのか。真実は到底理解できないであろう。だが、いずれ分かる。神の遊戯だと...
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