一話 14年前
俺はふと高校入学の春に目が覚めた。理由はわからないが、人生やり直しの機会を得たというわけか。タイムリープをしたらしい。でも、自然と驚いたような感じは出ない。なんか非常に不思議と思わず、自然と冷静な気でいられる。
下の方で若々しくて懐かしい母の声が聞こえる。俺は自然と立ち上がり、自然と制服に着替え、自然と朝の食卓に出る。なんらたわいのない日常の光景が広がっている。でも、多少なりとも懐かしさは残ってるもので、母のシワの数が少ないとか父の優しさがにじみ出ているとか、中学生の妹が可愛すぎるとか。その安堵感に浸りながら、普通の朝食をとる。元バドミントン選手であった両親の食卓は基本超健康食品である。まあ俺たちのためであるのは、重々承知だが、たまにはがっつり揚げ物とかアイスとか食べたかったなぁと後悔する。でも、初めてそれらを食べた時の感動を取っておきたいので、今は我慢しよう。
この日は俺の入学式であり、妹の入学式である。未来では、有名社長の妃になっている妹であったが、やはりこの時からずっと可愛かった。そういや俺はあまり妹に馴染めなかったと後悔をしていた。あまり仲良くなかったのだ。だから、彼女も俺のことを助けなどしなかったのだろう。よって、俺はこのやり直しで、妹との好感度も上げることを決心した。そして、玄関先より外へ出る。何やら母がなんか言ってるような気がするが、これから俺のやり直しの青春が始まるのだ!
■
そして、春の川先を通り、俺が通っていた学校である
俺は入学する前から、特別にバド部に入っていたため、そのまま直通でバド部のいる体育館へ向かう。その道中にふとショートカットの黒髮美少女がいるのを思い出す。彼女が天道幸、のちに俺と混合ダブルスを組み、全国大会へ向かおうとした良きライバルであり、俺の好きな人。でも、今回は違う。俺は必ず彼女と一緒に夢を叶える。だがしかし、その当時の彼女とは犬猿の仲であったことを思い出してしまった
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