第9話

 武器を買ったあの町を出た後、色々な町を経由してやっと目的の場所までくることができたらしい。

 今まで通った町の中で最も大きい町で名前はレソノア。やっと始まる僕の冒険者生活の始まりの場所になる土地だ。そこそこ長い列ができるほど人もいて、入ること自体少し苦労するほどだった。


 「やっと入れたな。ここでいいんだよな?」

 

 「そうです!大きいでしょ?」

 

 「そうだな!」


 「この町のことは噂では知ってるのですけど、実際来たのは初めてなんでまずはギルドに行きましょう」


 「わかった。って言っても知らないのにギルドにどう行くんだ?」

 

 「それは簡単ですよ。ちょっと待っててくださいね」


 そういうと屋台に走っていき、少し経つと串に刺さった肉を持ってきて僕に渡してくれた。

 

 「わかりましたよー。これ食べてください」

 

 「おお。ありがとう」 


 貰った串を一口食べると鳥に近いが強いうまみも感じる。味付けも確かにおいしいのだが、明らかに今まで食べてきたものの中でうまみが違いすぎる。

 

 「これおいしいな。何の肉なんだろう」


 「ほんとだ。おいしいですね。ハーピーの肉らしいですよ」


 「そんな珍しいものまで屋台で売ってるのか」

 

 ハーピーといえば僕らの住んでいた付近では見たことすらない食材だ。それが1ついくらの屋台で買えるなんて都会はすごいな。


 「近くにハーピーがでるダンジョンがあるみたいですね。こういう特殊な魔物の肉が食べれるってやっぱりダンジョンを起点に作った町の特徴ですねー」

 

 「ダンジョンはすごいな。これを毎日ここでならたべれるのか」

  

 「やる気出てきました?」

 

 「ますます出てきた」

 

 「それはよかったです。それじゃあいきましょうかギルドに」


 「おう」


 テーニャに付いてどんどんと道を進んでいく。周りには高い建物も多いし、いい匂いの店も立ち並んでいる。活気あふれる声が少し僕を不安にするが、こんな大きな町なら何か仕事があるだろうと自分を鼓舞する。

 少し前向きになったところでテーニャは止まった。

 

 「着いたのか?」

 

 「着きました。ここです」


 テーニャが指さした先にはそこそこの大きさの建物があった。これくらいの建物ならどの町にでもあるサイズだ。少し自信を取り戻して僕たちはその建物に入っていった。

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