第21話

「なあ、思ったんだが」


「「何?」」


アリエルとイリーナがキッとした目で睨んでくる。


「何をそんなに怒ってるんだ?」


「「別に!」」


いや、怒ってるでしょ。確実に睨んできてるし。


やっぱり、俺がルーナのことを可愛いって言ったからか?そんなこと気にしなくても、アリエルもイリーナも可愛いのに。


正直全員同じくらい可愛いし、というか俺にはもったいないくらい可愛いし


「なあ、ルーナ。今まで飯はどしてたんだ?」

「………変なダンジョンがくれてた」


ああ、なんかそんなこと言ってたな。


「ダンジョン出てからは?」

「………その辺の魔物を食べてた」

「魔物っておいしいのか?」

「……味はいらない」


いや、味はいるでしょ。三大欲求の一つだぞ食欲は。


「……今からどうする?」

「んーー、」


俺はチラッとアリエルやイリーナの方を見る。二人はこちらの視線に気付くとプイッとそっぽを向いた。


「今日はここで野宿して、明日から街をめざすか」

「………分かった」


ルーナは小さく頷く。


それが可愛いくて自然手が伸びて、ルーナの頭を撫でた。


「……ん、別に」


「あ、悪い」


俺はすぐに手を離した。


「………別に、よかったのに」


ルーナは何か小さく呟いて、すぐに後ろを向いた。あ、怒らせちゃったか?



つんつん


誰かに肩を付かれた。


振り返ると




まあ、分かっていたけれど、ニコニコと笑っているはずなのにとても恐ろしく感じるアリエルとイリーナがいた。


「「ちょっといい(かな)っ!?」」



俺は二人に肩を掴まれて、連れていかれた。













「「…………」」

「……………」


「「……………」」

「………………」



「「……………」」


え?まだなにも言わないの?


俺は今、ちょっと離れたところの木の陰に立たされている。前にはアリエルとイリーナがムスっとした顔でずっとこちらを見ている。


なんでだろうな、ムスっとした表情も可愛いって思ってしまうんだよな



と、そんなことを考えていると、アリエルがそっと近づいてきて、


チュ


俺にキスをした。それも舌を入れてきて。


「ん、む、、ん、ほいおい


俺はとっさのことだったので面食らって、されるがままになる。


次に、イリーナが俺のズボンを下ろしてきた。


(まさか今からするのか!?)


そして、そのままパンツを……


「……?なにしてる?」


っ!!!


ルーナ!?


アリエルの顔越しにルーナとバッチリと目が合った。


.......ハズいな


「.....ムチュ、チュ、」


が、しかしアリエルはルーナのことを気にした素振りもなくなおもまたキスをつづけてきた。


ほいおい!、っ!?」


アリエルを止めようとしたとき、下から刺激を受けた。


ひひーなイリーナ!?ほれふずいっへ《それ不味いって》!!」


しかし、全く止めようとはしなかった


ああーー、あーー、.......あっ
















はあ、


すっかり暗くなった空を見上げて、ため息をつく。木にもたれる俺に、夜の冷たい風が静かに吹き付ける。


結局俺はあの後、限界まで絞り取られた


あいつらはご満悦のようでさっきまでずっとニコニコしていた。


「......ユウトはさっき何してた?」


ぬっと現れたルーナが聞いてきた。


「あれは......知らなくていい」

「.....?なんで」

「なんでも」


俺は木にもたれるのをやめた。いい感じに涼めたし、二人の所に行くか


「さ、戻るとする……





チュ





唇と唇が交差する


俺は暫く放心状態に陥った。



「……ん、…………アリエルとイリーナがこうしたい気持ちが分かったかも‥‥」


ルーナは顔を赤らめ、少し俯いて小さく呟いた
















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