第14話

「疑問なんだけど」


急にアリエルが言い出した。


「私達がまる一日寝ていたのは当然として、なんでユウトはそれ以上寝ているのよ」


ジト目で睨まれる。


「そんなの二度寝したからに決まってるだろ」

「二度寝で一日中寝る!?十度寝くらいしてるでしょ!」

「いや!二度寝だ!」


なんか無駄な喧嘩が始まってしまった。十分ほど喧嘩が続くと、食糧を取りにいってくれていたイリーナが帰ってきて、すぐに喧嘩は収まった。


「なあ、お前らのステータスはどうなったんだ?」


アリエルとイリーナは力が解放されたはずだ、強くなっているのだろう。まあ、一応ステータス気になるし

俺も開けとこ



「「「ステータス」」」




三人のステータスボードが開く。


「なにこれ、アップデート?」

「ステータスボードがアップデートされるの?」

「……自動でアプデとかしといてくれよ面倒くさい」


俺達はアップデートボタンを押す。


〈確認しました。約100時間後確認してください〉



「「「…………長っ!」」」











一方その頃神界ではー



「カーラ様、あのハズレをアップデートをして送りましたか?」


メイド服を着たメイドが話しかける。


「………ちょっと話し掛けないで、今いいところだから」


カーラはベッドで寝転びながら、漫画を読んでいる。


「……はぁ、カーラ様、あのアップデート忘れると面倒なのですよ?お小遣いが減らされますよ?」

「はあ!?ちょっと!それ聞いてないんだけど!?どうするのよ!?漫画が買えなくなるわよ!?」


カーラは急にばっと起きて、喚いた。


「やっぱりやってなかったんですか、あれほどゼウス様が申し上げていましたのに…」

「聞くわけないでしょ、あんな長い話」

「………はぁ」

「まあ、あのアップデートがくるのって一定の強さを越えたらって話でしょ?大丈夫よ、一生そんなことはこないわ」


饒舌にしゃべり、自信を露にする。すると、メイドは四角い箱をポチポチと押し始め、


「これ見てください」

「ん?えーっと、優斗並びにアリエル、イリーナのアップデート申請って、え!?なんで!?」


カーラの開いた口はふさがらない。


「で、どうする気なんですか?」

「いや、それより優斗はともかくあの天使と悪魔がなんでアップデートなんて必要なのよ!?あいつら加護でしょ!?」

「何故か契約がきれているんです」

「はあ!?どういうこと!?」


また、メイドは溜め息をついて四角い箱を操作する。


「えーっと、優斗が契約をきったそうですね、‥‥‥‥‥寝ながら」

「はあ!?寝ながら契約とかきれるの!?」


「知りません。で、今から報告にいきますよ」

「嫌だぁー!いきたくなーい!」


カーラは子供のように足をじたばたさせて喚いた。


ピロん!


その時、メイドの持っている四角い箱から着信音が鳴った。


「んーーーー、あ、カーラ様、報告にいく必要なくなりましたよ」

「え!?うそ!?やったー!!」


カーラが喜んだ瞬間、部屋の扉が勢いよく開いた。


「………え?」

「あちらからこちらに来てくれるそうです」


図体のでかいゴリラのような使者がこちらをみてくる。


「そんなーーーーーぁぁ!!!」











「普通、ステータスボードにアップデートとかあるか?ゲームでもないのに……」

「そうね、同感だわ……」

「うん………」


『アップデート中』とかかれたステータスボードを見て、俺達は項垂れる。


「………取り敢えず街に行こ、フカフカのベッドで寝たい」

「まる1日も寝ていたのにまだ寝たいなんて…」

「いや、夜の営みがあるからってことだよね♡」


夜の営み?寝ること以外っていえば……酒か!?お高いところでのバーとか最高そうだな。いや、でも俺は未成年だぞ?……っ!そうか異世界だから何歳でも飲めるのか!


「いいねぇー、初めてだから緊張するなー」

「エぇっ!!」

「安心して♡私も初めてだから♡」

「そうなのか、てっきり(行った)経験あるのかと思ってた」

「あるわけないよ」


急に人が変わったように、真顔で言い出す。いや、バーに行ったことあるかないかでそんなに怒るか?


「えーっと、アリエルはあるのか?」

「はあぁー!?あるわけないでしょ!」

「は、はい」


いや、だからなんで怒るんだよ。バーにいったことがあるかないかだろ?


ん?


後ろから何か感じる。


後ろに振り向くと、黒いスライム……デスポイズンスライム!?


「おーい、またスライムがいるぞ?」

「うわっ、まだいたの!?」


俺は一応鑑定をする。


デスポイズンスライム lve.132



うん、前と同じくらいだな。


そういえば前回ってどうやってたおしたんだっけ?あれ?また、後ろに違和感が…


俺はまた、後ろを振り返ると、もう一体デスポイズンスライムがいた。いや、好かれ過ぎだろ。


「おーい、後ろにもいるぞ?」

「わー、ほんとだね」


イリーナは呑気なこえで言う。いや、ちょっとは焦ろうよ、確かなんか凄い毒でなんでも溶かすはずだろ?まあ俺は状態異常無効があるからいいけど、アリエルやイリーナはあるかわからないんだろ?大丈夫なのかよ。


「取り敢えず、ほい」

「わたしはこっち、っね!」


二人同時にそれぞれのスライムに魔法を放つ。アリエルからは光の剣、イリーナからは闇のコウモリ、それらがスライムを襲う。それも無数の数が


(あ、これ、チートだわ)


たった一匹ずつのスライムを蹂躙するのをみて、俺は素直にそう思った。







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