第9話
『働き者』
働きの効率を良くする。スキルの獲得の簡易化、経験値獲得の簡易化ならびにスキル経験値の獲得の簡易化。しかし、休息をとるとステータスリセット睡眠など
「レベルがなんにもあがってねぇー」
ステータスを確認したが、未だにLve.1でノーマルスキルは一つもない。あーもう無理。これでレベル上がらないんじゃ無理じゃん。
「まあそうだよねぇ~」
「当たり前でしょ、そんな簡単に上がるなら堕星なわけないでしょ」
はぁ、とため息が漏れる。
仕方ない、街にいって店の経営もとい貴族との繋がりをもつことでもするか
「とりあえず街を目指すか」
「どこにあるの?」
単純にアリエルは聞いてくる。
「川沿い歩いてたら集落とかあるだろ。そこで人に聞く。そんなもんだろ」
だいたい川があれば人もいるからな
そういえば思うんだが………
「アリエルってさぶっちゃけ役に立たなくね?」
「はぁ!?」
あからさまに怒ってくる。いや、でも
「でもさぁ、こっちに来てからなんかした?イリーナは魚取ってきてくれるけどさぁ」
「…………さ、行くわよ」
アリエルは少し考えた後、話の論点をずらした。
「いや、話変えるなよ。アリエルは俺にレベル100になって欲しいんだろ?でも、何にもしてない奴に指図されるのは嫌なんだよねぇ?」
「…………」
アリエルは黙り込む。ふふっ、一杯食わしてやったぞ!まあ、これから店の看板娘になって働いてもらうんだから正直今役に立たなくても問題ないんだけどな。でも、やっぱり今は、昨日殴った分だけいじる!
「ほらぁ?どうなんだぁ?」
アリエルを肩をつつく。アリエルは顔を背けたまま何も言ってこない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・わかったゎょ‥‥」
なんか小さな声で呟いた。その後、くるっとこちらに向いて両手で俺の頬をもつ。それからは一瞬だった。
アリエルのふっくらとして少し湿った唇が俺の口をふさいだ。
そしてすぐに唇は離れた。
「……………え?」
頭が追い付かない。なんでキスされたの?
アリエルは俺にキスをした後すぐに俺に背を向けた
「・・・・・・・・私のファーストキスだから、高くつくわよ‥‥」
カァァ!っと俺の顔が熱を帯びた。どうやらそれはアリエルも同じなようで耳が真っ赤になっていた。
俺達は終始無言で歩き続けた。話しかけにくかったし、それにイリーナの機嫌がすごく悪かったので雰囲気も悪かった。
「ちょっと休息しようぜぇ」
「ダメ」
イリーナはニコニコしながら拒否する。目は笑ってないけど...
はあ、腹減った...休憩したい。
その辺に生えているキノコがおいしそうに見えてくる。
赤色に紫色の斑点がついてる。あれって毒キノコかな.....?
<条件を満たしました。スキル『観察』を獲得。使用しますか?>
なんだ?なんか頭に響いてくる。まあよく分からんが使用っと
そう頭で念じ、キノコを一口囓る。
『デシュルーム』
もの凄く珍しいキノコ。どんな生き物も食べれば1分も満たない内に死ぬ。見た目がthe毒キノコなので食べる奴はバカだ。
.........ほうほうほう、これは毒キノコだったわけか・・・・・!?
「ぎゃああああああーーーーー!!!!!!!」
「ど、どうしたの!?」
「何があったのよ!」
先行していたイリーナとアリエルは俺の悲鳴を聞いて戻ってくる。
「やばい毒キノコを食っちまったんだよ!俺がしんじゃう!!!」
「「えっ!?」」
アリエルは俺の手に持つキノコを見る。
「ちょっと!そんなの明らかに毒あるでしょ!なんでそんなもの食べるのよ!」
「取り敢えず吐いてっ」
しかし、持て遅れだった。
体が麻痺して指先の感覚どころかもう立っている感覚すらない。
俺は自然と倒れてしまう。
だんだん呼吸ができなくなって苦しい。
「ちょっと!嘘でしょ!」
「ユウト!」
全身にかけて激痛が趨る。しかし、痛いと叫ぶほどの力も残っていない。
「ユウトぉ!!」
「ユウト!!」
アリエルとイリーナは涙を流しながら叫ぶ。こういうのって普通、ラスボスの後とかになるやつじゃなかったっけ......
だんだん意識が薄れていく。死がもうすぐそこまで迫っているのがわかる。
「アリエル、イリーナ...すまん。まさかこうなるとはな....」
かすれた声で言う。かってに俺の目から涙がこぼれてくる。
「短い間だったけどありがとうなぁ..ぐすっ.....キスとかも嬉しかったしよぉ.....」
「ユウトぉ....」
「ユウト...」
俺は最後の力を振り絞って両手をアリエルとイリーナの頬に添える。柔らかくてふっくらとしている
「好きだったぜ」
「「ユウトぉぉぉぉーーー!!!!」」
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