第3話 王子様の家庭教師
私のいた国はいつの間にか戦で負けていて、王様が変わる事になった。
その後は、戦をしていた青の国の王様が、代わりに国を治める事になった。
自分の国と共に、二つの国を治める事になるらしい。
この国の名前は赤の国のままらしいが。
赤の国の元の王様は処刑されたが、王女様は行方不明らしい。
でも、国の中は平和そのもので、国民達は敗北を受け入れつつあるようだった。
青の国の王様は負けた国にも善政をしいているらしい。
私はその戦の最後、城に訪れた騎士達に保護された。
赤の国に放ったスパイからの情報で、偽物がいると知っていた彼らは、私の身元を確かめ、殺す事なく生かしてくれた。
そして、無事に親の元まで返してくれたのだ。
両親と再会した時は、とても嬉しかった。
この恩は、返しても返しきれない。
だから、私は大嫌いで、毎日逃げたいと思っていたお城にまた向かったのだった。
あの日、私を助けれくれたあの騎士達に恩返しをするために。
けれど、「ただの村娘が役に立てる事あるのかしら?」実際に力になれるかが問題。
私には特別な力も、血筋もないのだから。
しかし、身代わりとして無理やり学ばされた礼儀作法や教養だけはあった。
教育途中だったから、本番が来ることはなかったが、あの知識は頭に残っている。
その事を考えて、お城では王子様の家庭教師をやる事になった。
「王子様、お勉強の時間になりましたよ」
「やぁ、楽しみにしまっていたよ。今日はどんなことを教えてくれるの?」
青の国が助けた人間が、その青の国の王子様を手助けしているという事実が欲しかったのだろう。
私の採用は比較的早かった。
たくさんいる教師の内の一人として、だったけれど、王子様に気に入られたのは嬉しかった。
それはおそらく、勉強の合間に私の口から平民としての暮らしぶりを知る事ができるからだろう。
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