『終わらない歌:ローリング☆ガールズ 挿入歌』 クイズ、ソラシドン! 後編

「第三問。ブルーハーツ及びTHE HIGH-LOWSを使用したアニソンといえば?」


 これは取りたい。


 リンは、ローリング☆ガールズの挿入歌、『終わらない歌』を選ぶ。


 アニソン研の先輩コンビは、逆境無頼カイジのOP『未来は僕らの手の中』を書いた。


「おっ、わりとメジャーですね。これはどういう意図が?」

「我々の知識から、あえて外してきました。これか、『胸がドキドキ』か悩みましたが」


 嘉穂さんが、「ああああ……」と、うなだれる。


「はい『胸がドキドキ』、嘉穂さん外しました。これで、アニソン研究部が一点を返しました!」


 しかし、アニソン研はここで力尽きた。


「第四問、全部英語のアニソンといえば?」


 四問目、はやせは『HELLO, VIFAM』と答えて嘉穂にロンされる。


「最終問題です。『色ではない、色』を表現したアニソンは?」


『空色デイズ』や、「かくしごと」の『君は天然色』、「赤ずきんチャチャ」の『君色思い』など、「〇〇色と表記されているが、実際の色に分類されない色」がタイトルに入ったアニソンを答える問題だ。


 優歌先輩が、アニメ版艦これの『海色』を書いて、一本取られた。


 結局、一点を返しただけでクイズ番組研の勝利となる。


「では、勝ちました嘉穂さん、勝利の感想は?」

「さすがにパーフェクト勝ちは、難しかったです。お見事でした」

 嘉穂さんが、申し訳無さそうに答えた。


「お疲れさまでした」


 福原くんが、はやせたちに手を合わせる。


「ビビらせてごめんね。実は、カンニングしていたんだ」

「え?」


 はやせたちが首をかしげていると、リンが「おっ?」と手を上げた。


「そういえば嘉穂、ずっと部室の本棚見てた」


 リンの言葉で、はやせたちも気づく。


 たしか、嘉穂さんは部室でも会話に混ざらず、本棚をずっと眺めていた。


「マイナーアニソンっていうくらいだから、まともな知識では勝てそうにない。まして、嘉穂さんは芸能・音楽は苦手なんだ。そこで、部がどんなアニソンを聞いているのか傾向を見て、予習をしたんだよ。それくらいやらないと、全問取られそうだったから」


 どうやら、我が部の先輩たちを抑え込む作戦だったようだ。


「もちろん、後半三問はガチンコでやったよ。さすがにね」


 こちらの知識量は、相手を上回っていたといえる。


 嘉穂さんは、よくやったほうなのだ。

 どうにか知識だけでこちらを倒したのだから。


「楽しかった!」


 負けたのに、リンはうれしそうにしている。


「そういっていただけると、やってよかったなって思います!」

「またチャレンジに来てよ。楽しみにしてる」


 こうして、二校同時の文化祭は幕を閉じた。

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